まずはじめに、投球フォームは大きく4つの投げ方に分類することが出来ます。
- オーバースロー
- スリークォーター
- サイドスロー
- アンダースロー
スリークォーターとは?
スリークォーターは投球フォームの1つです。
文字通り4分の3を意味しており、オーバースローとサイドスローの中間でややサイドスロー寄りの投げ方を言います。
ただし、オーバースローとスリークォーターの中間ほどの位置だったとしても投球フォームとしてはスリークォーターに分類されるため、その区別は曖昧です。
スリークォーターを用いている選手は非常に多く、プロの世界でも数多くの選手がこのフォームを用いています。
スリークォーターを用いている選手
- ダルビッシュ有(シカゴ・カブス)
- 田中将大(ニューヨーク・ヤンキース)
- 和田毅(福岡ソフトバンクホークス)
- 岩瀬仁紀(元:中日ドラゴンズ)
スリークォーターを用いている選手は、球速は様々ですが縦の変化球と横の変化球の両方を得意としている投手が多いことが特徴です。
また、左投手においてはスリークォーターを用いている投手の割合は非常に高く、右打者のインコースに鋭く食い込んでいくクロスファイヤーを武器としている投手もいます。
勝利 | 敗戦 | セーブ | 防御率 | 奪三振 | 与四死球 | |
ダルビッシュ有 | 93 | 38 | 0 | 1.99 | 1250 | 383 |
田中将大 | 99 | 35 | 3 | 2.30 | 1238 | 306 |
和田毅 | 130 | 70 | 0 | 3.13 | 1565 | 483 |
岩瀬仁紀 | 59 | 51 | 407 | 2.31 | 841 | 274 |
※NPBでの成績
スリークォーターのメリット
- 球速がアップしやすい
- 変化球に幅が出る
- 体への負担を抑えることが出来る
球速をアップするためには腕の振りを速くすることはもちろんのこと、体の回転も速くする必要があります。
体への負担を抑えることにも共通することですが、スリークォーターの場合、投球時に無理に体を傾けたりすることをせずに自然体に近い状態で投球することが出来るため、必然的に体を素早く回転させることが可能となります。
もちろん、スリークォーターにするだけで球速アップとはなりませんが、オーバースローやアンダースローと比較すると球速を出しやすい投げ方であるということが言えます。
また、投球時の腕がオーバースローとサイドスローの間から出てくるため、変化球においても縦と横の変化球を投げることが容易となります。
スリークォーターは、縦のカーブや横のカーブ、縦のスライダーや横のスライダー、フォークにカットボールなど多彩な変化球を操ることができるようになるため、変化球の幅を広げることも可能となります。
スリークォーターのデメリット
- 個性がなく脅威を感じない
スリークォーターを用いる投手は非常に多いため、投球フォーム自体に個性がありません。
投手は打者を抑えることが役割であることを考えると、投球フォームが個性的であれば、それだけでも打者の目線を変えることができるため脅威となり得ます。
例えば、トルネード投法(オーバースロー)の野茂英雄やサブマリン投法(アンダースロー)の山田久志などは、打者目線で見るとその投球フォームだけでも威圧感があり、タイミングを合わせにくく打ちにくい印象を与えます。
まとめ!
- 体への負担が少なく、球速アップや多彩な変化球を投げることができる
- 最もポピュラーな投球フォームのため、個性がなく脅威を感じない
- 投球フォームでは自然体な投げ方のため、野手の時も違和感がない
プロ野球選手は役割がはっきりとしていますが、少年野球や高校野球などでは、投手としてだけではなく野手としても試合に出ることが多くあります。
投手の時にスリークォーター以外の投球フォームを使用している選手が、野手の時にそのままの投げ方で守ってしまうことは理にかないません。
また、一つの体でいくつもの投球フォームを取り入れることは故障にもつながりお薦めできません。
体の出来ていない子供たちは、まずは自然な体制で投げられるスリークォーターで投球を始めてみてはいかがでしょうか。