野球用語

【FA制度】人的補償とは?移籍後に活躍した成功例を紹介!

日本シリーズが終わると、プロ野球12球団による来シーズンに向けた戦力補強や戦力外通告などが活況を迎えます。

ここでは、主力選手として活躍してきた選手が一定の条件を満たすことにより取得するFA制度にスポットを当て、その際に行われる人的補償について解説を行っていきます。

FA制度とは?

FAとは、「Free Agent(フリーエージェント)」の略称です。

Free Agentを直訳すると「自由行為者」となり、「自分の行為を自らが決定できる人」という意味です。

プロ野球においては、12球団のいずれの球団とも選手契約を締結することができる権利を持つ選手のことを指し、その権利を行使することを「FA権行使」と表現し、FA権行使を発表することを「FA宣言」と言い表しています。

 

人的補償について

FA権を行使し他球団に移籍した場合、移籍先の球団は、その選手が元々所属していた球団に対して補償の義務が発生します。

補償は「人的補償」・「金銭補償」・「人的補償と金銭補償」の3つのパターンが存在します。

 

FA権を取得した選手が元々所属していた球団が、移籍先の球団に人的補償を求めた場合、球団が保有する支配下選手のうち下記の選手を除いた選手の中から1名を与えなければなりません。

※人的補償として獲得できない選手

  • プロテクトした28名の選手
  • FA権取得により外国人枠の適用外になった選手を含む外国人選手
  • 直近のドラフトで獲得した新人選手
  • 育成契約選手

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人的補償で移籍後に活躍した成功例

人的補償の対象となる選手は、プロテクトリストから外れた選手からの選択となるため、チームの主力として活躍している選手が含まれることはなく、一軍半の控え選手や実力未知の若手選手、ピークを越えたベテラン選手であることがほとんどです。

FAで流出した主力選手の代わりとしてはどうしても貧弱な印象を持ってしまいますが、過去を遡ると意外にも人的補償の対象となった選手が移籍先の球団で成功しているケースは多くあります。

 

  • 福地寿樹(ヤクルト)

2007年オフにFAで西武に移籍した石井一久の人的補償としてヤクルトに入団。

2008年シーズンは一番打者に定着して131試合に出場し、打率.320、61打点、42盗塁と福地自身のキャリアハイの成績を残しました。

42盗塁はリーグ最多でもあり、人生初の盗塁王のタイトルも獲得しました。

 

  • 一岡 竜司(広島)

2013年オフにFAで巨人に移籍した大竹寛の人的補償として広島に入団。

2014年シーズンから中継ぎとして起用され、防御率0.58と優秀な成績を残し、その活躍が評価され、オールスターゲームにも選出されました。

巨人では2年間で13試合の出場にとどまっていたため、人的補償による移籍を機に才能が開花した選手です。

人的補償まとめ

人的補償まとめ!
  • FAによって移籍した選手の移籍先球団が前球団に行う補償の1つ
  • 育成選手はプロテクトに入らない
  • 人的補償として移籍した選手が活躍するケースもあり

FAという制度は、権利を取得した選手にとっては自由に移籍ができる権利であり、また、自身のことを他球団がどのように評価しているのかを知ることが出来るものです。

しかしながら、人的補償という制度があることにより、FA権を行使した選手も自身の行為によって「犠牲」になった選手がいるというわだかまりを持ちながら移籍先でプレーをすることになります。

そして何より、人的補償はプロテクトから外された選手が引き抜かれる制度でもあり、つまりは戦力として見られていなかったことを意味します。

FA権を取得していながらチームへの残留を表明する選手の理由の1つには、自身が権利を行使することにより、「これまで一緒に戦ってきたチームメイトの誰かを人的補償の対象としてしまうことは避けたい」という人情的な要素も大きな要因としてあるのかもしれません。



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