野球用語

【野球】タイブレークはどんな意味のルール?投手の自責点はどうなる?

タイブレークとは、試合中のある時点(競技や団体などにより異なる)で同点になった場合に、その試合に決着をつけるための特別ルールのことを言います。

野球におけるタイブレークは、国際大会でこれをいち早く導入。

もともと国際大会では、延長戦は均衡が破れるまで続けることとされていましたが、オリンピックにおける野球競技の復活を目指す世界野球ソフトボール連盟(WBSC)が、野球のショーアップを目的として、2008年の北京オリンピックからWBSC主催の大会で採用しています。

 

ここからは、日本の高校野球におけるタイブレークのルールについて紹介していきます。

高校野球特別規則におけるタイブレーク

日本の高校野球においても、選手の体調を考慮して2018年の第90回記念選抜高等学校野球大会からタイブレーク制が導入されました。

タイブレーク規定
  • タイブレーク導入開始回については、12回終了時に同点の場合、13回からタイブレークを開始する。
  • 打順は、12回終了時の打順を引き継ぐものとする。(次回以降も前イニング終了後からの継続打順)
  • 走者は、無死一・二塁の状態から行うものとする。

この場合の二人の走者は、前項の先頭打者の前の打順のものが一塁走者、一塁走者の前の打順のものが二塁走者となる。

  • タイブレークを開始する各イニングの前に、審判委員と両チームは各塁上の走者に誤りがないか十分に確認する。

その後、守備側の選手交代およびポジション変更、攻撃側の代打および代走は認められる。

  • タイブレーク開始後、降雨などでやむなく試合続行が不可能になった場合は引き分けとし、翌日以降に改めて再試合を行う。
  • タイブレーク開始後、15回を終了し決着していない場合はそのまま試合を続行する。ただし、一人の投手が登板できるイニング数については15イニング以内を限度とする。
  • 決勝はタイブレーク制度を採用しない。

決勝での延長回は15回で打ち切り、翌日以降に改めて再試合を行う。

ただし、決勝の再試合ではタイブレーク制度を採用する。

※「明治神宮野球大会」と「国民体育大会(硬式・軟式とも)」では、両大会のタイブレーク規定を採用する。

※2020年に行われた甲子園交流試合においては、延長10回からタイブレークを採用。

スポンサーリンク




公式記録の取り扱い

投手成績
  • 規定により出塁した二走者は、投手の自責点としない。
  • 完全試合は認めない。
  • 無安打無失点試合は認める。
打撃成績
  • 規定により出塁した二走者の出塁記録はないものとする。ただし、「盗塁」「盗塁刺」「得点」「残塁」等は記録する。
  • 規定により出塁した二走者を絡めた「打点」「併殺打」等はすべて記録する。

タイブレークは先攻有利?後攻有利?

タイブレークが導入されて初めての夏の選手権となった第100回記念大会の地方大会では、全国で約3700試合のうち、35試合がタイブレーク制による決着となりました。

イニングでは、13回での決着が24試合、14回が9試合、15回が2試合。

 

先攻後攻の別を見ると、先行チームが13勝、後攻チームが22勝。22勝のうち、このデータから、サヨナラのある後攻チームが有利であることが見て取れます。

また、最大で3点差を逆転してのサヨナラも2試合あり、先攻チームにおけるセーフティーリードは4点以上と言うことが出来ます。

ただし、静岡大会準々決勝で、島田商が5点を勝ち越したあとに静岡市立に4点を返されたという試合もありました。

 

第100回大会でも「済美 – 星稜」でタイブレーク制に突入。

 

先攻の星稜が2点を取ったあと、済美の中矢太監督は、「2点で済んだか、と思った。2点以内なら、あの作戦だと思った」。と相手の得点を見て、作戦を取れる優位性があったことを話しています。

先に挙げた島田商の池田新之助監督もまた、「もう先攻は取りたくないですよ」。と苦笑いでインタビューに答えています。

スポンサーリンク




タイブレークまとめ!

タイブレークまとめ!
  • 国際大会でいち早く導入され、高校野球は2018年から採用
  • 大会ごとに規定が異なる
  • 後攻が有利!?

後攻が有利とされるタイブレークですが、社会人野球と大学野球では事情が異なってきます。

大学野球が行われる明治神宮大会では、2018年時点で9回のタイブレークが行われ、先攻5勝、後攻4勝。そして、社会人野球の日本選手権と都市対抗では、合わせて41試合のタイブレークが行われ、先攻24勝、後攻17勝と、先行有利な数字が出ています。

 

大学野球と社会人野球は、タイブレークに関する規定が高校野球とは異なり一死満塁から行われるため、満塁からだとより得点が入りやすく、後攻チームの心を折る大量点も取りやすいことが、サヨナラのない先攻チームの不利をカバーしていると考えることが出来ます。



高校野球の強豪校まとめ!