野球における「スリーバント失敗」とは、打者が2ストライクと追い込まれたカウントでバントをしてファウルになるとバッターは自動的にアウトになるというルールのことです。
この場合に、スコアブック上の記録では「三振」となります。また、2ストライクと追い込まれたカウントからバントをすることをスリーバントと呼びます。
スリーバント失敗のスコア記入
バント失敗に関係するスコア記入の例を紹介します。
スリーバント失敗の場合には、スコアブックに三振の意味を表す「K」が書き込まれます。
バントをしてファールとなり、スリーバント失敗の場合には、♦Kという記録になります。
追い込まれた状態で、バントの構えから空振りした場合には、バント失敗ではなくただの三振「K」という記録になります。
バントが成功した場合の記録方法はいくつかあります。一般的には□で囲むという方法、♢がよく使われています。□で囲むのは、通常の場合と区別してバントであるということを分かるようにするためです。バントをして三塁手が処理をして一塁手に投げたという場合には、以下のように記録されます。
バント失敗の場合の記録バント失敗の場合には♦で記録されます。バントした打球を三塁手が二塁に送球してランナーがアウトになる場合には、以下のようになります。
このように、野球の場合には状況によって記録される方法が色々あるので、野球のルールと一緒に記入方法を覚えるようにするとより野球を楽しめますよ。
スリーバントのルールはなぜあるのか
スリーバント失敗でアウトになるというルールは、野球において非常に重要です。このルールがなければ、ピッチャーの投球数が増えるのはもちろん、試合時間もかなり長くなってしまうことでしょう。
このルールがなければ、バッターは何度でもすることが出来るので、わざとファールにしてとにかくピッチャーに球数を投げさせようとするでしょう。
球数が多くなればなるほど、どうしてもバッターが有利になります。
ピッチャーは1人のバッターに投げる球数が増えて疲弊してしまいますし、相手からすればチームの作戦としてこれを使ってくるということも予想されます。
このようなことを防ぐためにもスリーバント失敗のルールというものはとても重要なのです。
スリーバントのルールがないと、何度も打ち直しができてしまい打者有利となってしまう。
スリーバントへの対応、打者がツーストライクに追い込まれたら?
スリーバント失敗のルールがある以上、2ストライクと追い込まれた場合には、バッターにかなりのプレッシャーがかかります。失敗することが出来ないからです。
そのため、状況にもよりますが2ストライクと追い込まれると、ヒッティングに切り替える、相手が完全なバント守備を敷いているならバスターをするなどということもあります。
こちらの動画のようにバント失敗の2ストライクからヒッティングに切り替えて成功する場合もあります。
もちろん、バッターが投手である場合や、どうしても次の塁にランナーを進めたいという状況では追い込まれていてもスリーバントをすることもあります。バッターは追い込まれている状況ではファールには出来ませんが、一塁手や三塁手がチャージしてくることを頭に入れてボールを確実に転がす必要があります。
守備側は、バント守備で三塁手や一塁手がダッシュするのが一般的ですが、このように2ストライクと追い込まれた場合には、そのままバントの場合とヒッティングに切り替える可能性を考えなければいけないので、バッターの構えを見ながら判断しなければなりません。
2ストライクに追い込んだから、バントはないと決めつけてしまうと痛い目を見ることもあります。常に警戒が必要です。
こちらの動画のように2ストライクから意表をついたバント攻撃というのも考えられるからです。
⇒ ツーランスクイズの意味を解説!どんな場面で使える戦術なのか?
まとめ!
- スリーバント失敗とは、2ストライク後にバントをしてファールになるとバッターはアウトになるというルールのこと
- スリーバント失敗の場合には、スコアブック上では三振扱いとなる。
- スリーバントとは、2ストライク後にバントをすること
- 2ストライク後には、そのままバントをする場合と、ヒッティングに切り替える場合がある。
- もしも、スリーバント失敗のルールがなければバッターが圧倒的に有利になる
スリーバント失敗がなぜ、アウトになるのだろう?と疑問に感じていた人もいるかもしれませんが、このルールがないとバッターが非常に有利になってしまいます。そう考えるとやはり必要と言えるでしょう。
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