野球の試合におけるコールドゲームとは、一定の条件下において試合の進行が不可能になった場合に取り入れられるルールです。
一定の条件には、日没や降雨などの「天候・天災要因」、試合会場の設備の破損などによる「設備的要因」、点差が開きすぎて勝敗が決している「得点差要因」などがあります。それらの状況を判断し規則を元に審判員により宣告されます。
天候・天災・設備などによるコールドゲーム
悪天候や日没、照明などの設備不良などの理由により、試合の継続が困難と審判員が判断した際に適用されます。
試合を打ち切った時点で規定のイニングを経過している場合、その試合は正式試合として認められます。
なお、審判員が試合の途中で打ち切りを命じた時に正式試合となる回数は、公認野球規則では5回となっていますが高校野球では7回と読み替えて適用しています。
得点差コールドゲーム
イニング毎に点差が設定されており大会規定などにより異なります。
なお、プロ野球においては得点差によるコールドゲームはありません。
以下は、高校野球における規則です。
正式試合となるコールドゲームを採用する場合は、5回10点、7回7点と統一する。ただし、選抜高等学校野球大会、全国高等学校野球選手権大会、全国高等学校軟式野球選手権大会では適用しない。(規則7.01(c))
先攻めのチームがコールド勝ちする場合
規定回において、先攻めのチームが決められた点差以上をつけており、後攻めのチームの攻撃が終了した時点でも規定の点差を縮められなかった場合。
後攻めのチームがコールド勝ちする場合
- 規定回を迎える前にすでに点差が開いており、規定回の先攻めチームの攻撃が終了した時点でも規定の点差を縮められなかった場合。
(例)4回終了時点で後攻めのチームが10点差以上をつけており、5回表の攻撃が終わった時点でも得点差が9点以下とならなかった場合
- 規定回以降において、後攻めのチームの攻撃中に規定の点差が開いた場合
(例)5回裏の攻撃途中で点差が10点以上となった場合
コールドゲームにまつわるエピソード
コールドがなかったからこそ大逆転が起こった試合
- 1998年第80回全国高等学校野球選手権記念秋田県大会決勝、金足農-秋田商戦
5回裏に秋田商業が12点を取った時点で6-16となり5回裏の時点で10点差。決勝でなければ試合終了となっていた試合。結果は、残り3イニングで11点を奪い返した金足農が奇跡的な逆転勝ち。
- 2014年第96回全国高等学校野球選手権石川県大会決勝、小松大谷-星稜戦
様々なメディアに取り上げられた奇跡の大逆転劇。
7回を終了した時点で8-0となっていたため決勝でなければコールドゲームで試合終了となっていた試合。敗戦濃厚だった星稜高校が9回裏の1イニングだけで8点差をひっくり返しました。
コールドゲームがなかったが故の大差試合
5回コールドの規定がなく7回コールドにはなったものの、過去にはこのような試合がありました。
1998年の第80回全国高等学校野球選手権記念大会青森県大会
東奥義塾-深浦戦122-0
部員10名の深浦はその半数が野球未経験者。
初回から39点を失いその後も失点を重ねたものの深浦の監督は選手と話し合い最後まで戦うことを決断。
対する東奥義塾も手を抜くことは深浦に失礼だと全力で戦いました。結果、東奥義塾の5人の打者がサイクルヒットを記録するなど歴史に残る試合となっています。
コールドではないけど棄権試合もある
2008年春季埼玉県大会北部地区予選、川本-進修館戦
川本は初回に26点、2回にも1死の時点で40点を奪われ0-66という大差がつきました。
川本の監督は2回途中で250球を超える投球をしていた選手の健康面なども考慮し、大会本部へ棄権試合を申し出ました。
まとめ!
- コールドゲームとは、一定の条件下において試合の進行が不可能になった場合に取り入れられるルール
- コールドゲームの要因は、天候・天災・得点差など
- プロ野球には得点差によるコールドゲームはない
- 得点差によるコールドゲームは、5回10点または7回7点差
- 選抜高等学校野球大会、全国高等学校野球選手権大会や地方の決勝戦などではコールドが採用されていない