野球とは、1つでも先の塁を目指し1点でも多くの得点を奪い合うスポーツです。
守備側はこれを阻みアウトカウントを重ね無得点に抑えることを最大の目的として戦います。
しかしながら、野球というゲームの中では、打球の行方や、守備側の行為により無条件で攻撃側に対して塁を与えるという事象が発生します。
この事象は、公認野球規則では「安全進塁権」と表現されており、俗に、進むことが許される進塁数に応じて「テイクワンベース」「テイクツーベース」などと呼ばれています。
「安全進塁権」という言葉が示す通り、打者または走者は示された先の塁へアウトになることなく安全に進塁することが出来ます。
ここでは、どのような定義で安全進塁権が与えられるのかを「テイクワンベース」「テイクツーベース」「テイクスリーベース」「本塁が与えらる場合」の4種類を元に解説していきます。
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テイクワンベース
バッターに対するテイクワンベース
- 審判がフォアボールと宣告した場合
- バッターが打とうとしなかった投球に触れた場合（死球）
- キャッチャーまたはその他の野手が、バッターを妨害した場合（※攻撃側に選択権）
- 野手（ピッチャーを含む）に触れていないフェアボールがフェア地域で審判員またはランナーに触れた場合
※ただし、内野手（ピッチャーを除く）を一旦通過するかまたは野手（ピッチャーを含む）に触れたフェアボールが審判員に触れた場合にはボールインプレイとなります。
ランナーに対するテイクワンベース
- ボークが宣告された場合
- バッターがアウトにされる恐れがなく、1塁に進むことが許された場合（四球など）
- バッターの打ったフェアボールが野手（ピッチャーを含む）に触れる前かまたは野手（ピッチャーを除く）を通過する前に、フェア地域で審判員または他のランナーに触れた場合
- 野手が飛球を捕らえた後、ベンチまたはスタンド内に倒れ込んだり、ロープを超えて観衆内に倒れ込んだ場合
- ランナーが盗塁を企てたときに、バッターがキャッチャーまたはその他の野手に妨害された場合
テイクツーベース
- 野手が、帽子、マスクその他ユニフォームの一部を、本来つけている個所から離して、送球に故意に触れさせた場合
- 野手が、グラブを故意に投げて、送球に触れさせた場合
- フェアの打球が、バウンドしてスタンドに入るか、または野手に触れて進路が変わって、1塁または3塁のファウル線外にあるスタンドに入った場合
- フェアの打球が、競技場のフェンス、スコアボード、かん木、またはフェンスのつる草を抜けるか、その下をくぐるか、挟まって止まった場合
- 送球が、競技場内に観衆があふれ出ていないときにスタンドまたはベンチに入った場合
- 送球が、競技場内のフェンスを越えるか、くぐるか、抜けた場合
- バックストップの上部のつぎ目から、上方に斜めに張ってある金網に上がった場合
- 観衆を保護している金網の目に挟まって止まった場合
テイクスリーベース
- 野手が帽子、マスクその他ユニフォームの一部を本来つけている個所から離してフェアボールに故意に触れさせた場合
- 野手がグラブを故意に投げて、フェアボールに触れさせた場合
本塁が与えられる場合
- いわゆる柵越え本塁打
- 柵越え本塁打となるであろうと審判員が判断した打球が、観衆や鳥、野手が投げつけたグラブや帽子などに当たって落下したり進路が変わった場合
安全進塁権まとめ！
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- 打者または走者がアウトにされることなく進塁が認められること
- 事象により進塁が認められる塁数は異なる
- 事象によりボールインプレイとボールデッドの2種類が存在する
安全進塁権には、その行為や事象が起こった場合に、すべてがボールデッドとなる訳ではなくボールインプレイとしてプレイが継続されるケースがあります。
たとえば、バッターに対するテイクワンベースにおける「①」の四球。
ボールインプレイであるため、打者は1塁への安全進塁権を有していますが、1塁ベースに触れた時点からはボールインプレイとなるため、2塁より先の塁への進塁を引き続き企てることが出来ます。また、守備側にとっては、走者が1塁ベースを離れた場合にはタッチアウトにすることも可能となります。
どのような場合でも、審判がタイムを掛けるまではプレイを継続させる癖を付けておきましょう。
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