174cm、74kgというプロ野球選手の中では小柄な体格でありながら、最速152kmの速球と縦に大きく曲がるスライダー、チェンジアップとカーブを武器に、東北楽天ゴールデンイーグルスの守護神として、その地位を確立した松井裕樹投手。
2013年10月に行われたドラフト会議にて、東北楽天ゴールデンイーグルス、中日ドラゴンズ、福岡ソフトバンクホークス、横浜DeNAベイスターズ、北海道日本ハムファイターズの5チームから1位指名を受け、抽選の結果、東北楽天ゴールデンイーグルスへの入団が決まりました。
ドラフト会議で5チームから1位指名を受け、現在も守護神として輝かしい成績を残している松井裕樹投手が入団時に希望した背番号は「1」。
当時、なぜ背番号「1」を希望したのかという質問に対して、「自分の野球の原点は高校野球にある。そこで長くつけさせてもらった背番号でスタートしたいと思ったからです。」と答えています。
松井裕樹投手の原点ともいうべき高校野球。
どのような成績を残し、どんなエピソードが残っているのでしょうか?
高校時代の松井裕樹投手の足跡を辿っていきます。
高校時代の松井裕樹(桐光学園)
高校野球では全国屈指の激戦区神奈川。
横浜高校・東海大相模などの甲子園常連校ではなく、松井裕樹は春・夏の甲子園には4度(春1、夏3)の出場実績のある桐光学園に入学。
1年生の夏の大会から背番号「10」を背負い、中心選手として活躍しました。
茂木栄五郎・乙坂智・近藤健介・柳裕也がいた神奈川
夏の神奈川県大会準決勝では、現在のチームメイトである茂木栄五郎を擁する桐蔭学園と対戦。
1年生の松井裕樹はこの日も先発し、見事にチームの決勝進出に貢献しました。
決勝では乙坂智(横浜DeNAベイスターズ)、近藤健介(北海道日本ハムファイターズ)、柳裕也(中日ドラゴンズ)を擁する横浜高校を相手に4回無失点と好投するもチームは延長戦の末に敗退。
甲子園出場とはなりませんでしたが、神奈川の松井は全国的にも注目される選手となりました。
10連続奪三振と1試合22奪三振の大会記録樹立!
松井裕樹自身、この年に起こる出来事がプロ入りの大きなターニングポイントだったと話しています。
2年生になりエースとして迎えた夏の神奈川大会。
準々決勝では前年の決勝で敗れた横浜高校を相手に11三振を奪い、横浜高校の4期連続甲子園出場を阻止。決勝では桐蔭学園から15三振を奪う好投の末、桐光学園としては5年ぶりの甲子園出場を果たしました。
見事甲子園出場を果たした松井は、1回戦で愛媛県代表の今治西高校と対戦。
この試合で松井は大記録を成し遂げることとなる。
初回から1つの四球を挟み7つ目までのアウトをすべて三振で奪うと、圧巻は6回1アウトから9回2アウトまでの10連続奪三振。それまでの大会記録は、埼玉西武ライオンズで活躍する高橋光成投手(前橋育英)の9連続奪三振でした。
また、9回の最後の打者も三振で抑えた結果、1試合で22奪三振の新記録を樹立。
1試合27個のアウトのうち8割を超えるアウトを三振で奪う偉業を成し遂げました。
松井裕樹【甲子園での成績】
スコア | 対戦校 | 成績 | 勝敗 | 奪三振 | |
1回戦 | 7-0 | 今治西 | 完封 | 勝利 | 22 |
2回戦 | 7-5 | 常総学院 | 完投 5失点 | 勝利 | 19 |
3回戦 | 4-1 | 浦添商 | 完投 1失点 | 勝利 | 12 |
準々決勝 | 0-3 | 光星学院 | 完投 3失点 | 敗戦 | 15 |
1回戦と2回戦での合計41奪三振は、板東英二が持っていた2試合での合計奪三振記録を更新し、1大会通算68奪三振は夏の甲子園では歴代3位の記録となりました。
まとめ!
- 1試合22奪三振(新記録)
- 10連続三振(新記録)
- 2試合合計41奪三振(新記録)
- 1大会通算68奪三振(歴代3位)
東北楽天ゴールデンイーグルスの守護神として活躍中の松井裕樹投手。これからも多くの奪三振ショーを見せてもらえることに期待していきましょう。