東京の高校野球は戦前から早慶(慶応は以後、神奈川へ)を中心に私学の実力が抜き出た実績を残してきました。
70年代半ばからは夏の大会においては東西のエリアに分けて各1校を選出する形式になりましたが、公立=都立校はグランド事情もあって苦戦が続きました。
学校数が多いなかで、伝統校を軸として各校が工夫を重ねながら凌ぎを削っている首都東京の野球には独特の文化があります。
- ワセダの魅力 早稲田実業高校
- メンタルが強い 帝京高校
- 強打の日大三 日本大学第三高校
- 初出場で優勝 桜美林高校
- 元祖「都立の星」 国立高校
⇒【高校野球】どこが強い県??甲子園で活躍している都道府県の特徴と実績などを紹介!
早稲田実業高校
平成の若いファンにも清宮幸太郎選手の登場や2005年のハンカチ王子こと斎藤佑樹投手の決勝戦延長再試合での熱投による全国制覇ですっかり甲子園の人気校として定着しました。
特に斎藤投手と駒大苫小牧・田中将大投手の投げ合いは平成の名勝負として語り継がれることでしょう。
それ以前の実績も輝かしく、エース・王貞治でセンバツ優勝を飾っているうえに80年代には荒木大輔投手が女性ファンからも注目を集めました。
学校は21世紀に入って共学化、国分寺市に移転したことで夏は西東京地区となりました。しかしながら学校の伝統と人気は受け継がれています。
帝京高校
サッカー部も全国的な強豪ですが、野球部が力をつけ始めたのは、前田三夫監督が就任して徹底的な練習で鍛えあげた成果といえます。
当初の教え子にはとんねるず・石橋貴明がいることも有名です。
学校は都内の住宅街にあり、野球部専用のグランドはなく限られた環境のなかで守備力を中心にした基礎練習で精神面の成長にもつながっています。
春夏ともに甲子園優勝の結果を残しており、森本稀哲選手など「帝京魂」を持った選手は卒業後も気迫が前面に出る姿を見せています。
日本大学第三高校
野球部は旧制中学の時代から学校をあげた強化を推進した歴史があり、関根潤三投手を輩出するなど実績を残しています。
学校は町田市に移転して以降は若干停滞した時代もありながら、関東一高をセンバツ準優勝に導いたOBの小倉全由監督が猛練習によって再建すると2001年、2011年に夏の甲子園優勝をもたらしました。
他県からも優秀な選手が集まる日大三高は全国ても驚異の存在となっています。
桜美林高校
日大三高にほど近い立地の桜美林高校はキリスト教系の学校です。
全国に校名を知られたのは1976年に夏の甲子園に初出場すると決勝ではPL学園を下して優勝を飾りました。
校歌にカタカナの歌詞が入っていることも当時は話題になりました。
エースの松本投手は後に埼玉栄、千葉経大付を監督として甲子園に導きました。桜美林高校は以降数回の甲子園出場を果たしていますが激戦区のため今後どのような実績を残すのか注目したいところです。
国立高校
元祖「都立の星」として注目されたのは進学校である「くにたち」高校です。
進学校として知られる同校であくまで普通の野球部員であった選手たちは西東京大会でも延長再試合を含めて無欲の勝利で都立校で初の甲子園出場を勝ち取りました。
バッテリーはその後東大野球部でプレーしたことからも本来の文武両道を貫いていたことがわかります。
以降は都立校も数校が甲子園の土を踏みましたが、いまだに「都立」というキーワードで思い出されるチームです。
⇒高校野球の強豪校まとめ!都道府県ごとに学校の特徴などを紹介!
東京都の強豪校まとめ!
夏の東西東京大会は準決勝以降が神宮球場で実施されることもあり、選手も上位進出にかける思いは強いものがあります。
都立校については環境面からも、やや力の差はあるものの決勝まで勝ち上がるチームも増えてきました。
各エリアの勢力図を予習したうえで、他県出身で都内で暮らす方にもぜひ球場へ訪れて青春時代を思い出してほしいものです。
- ワセダの魅力 早稲田実業高校
- メンタルが強い 帝京高校
- 強打の日大三 日本大学第三高校
- 初出場で優勝 桜美林高校
- 元祖「都立の星」 国立高校