一本足打法という言葉を聞いて、皆さんは誰を思い出しますか?
世代により差はあるかも知れませんが、一本足と言えば、王貞治氏ではないでしょうか。
一本足打法とは、投手の投球フォームに合わせて投手側の足を高く上げタイミングをとる打撃方法を言います。
一本足打法は、現役選手でも坂本勇人選手(読売ジャイアンツ)や秋山翔吾選手(埼玉西武ライオンズ)など多くの選手が取り入れています。
一本足打法を使用した主な選手の成績
打率 | 本塁打 | 長打率 | 主なタイトル/表彰 | |
王貞治 | .301 | 868 | .634 | 首位打者⑤、本塁打王⑮ |
坂本勇人 | .293 | 223 | .457 | 首位打者 |
秋山翔吾 | .301 | 116 | .454 | 首位打者 |
山田哲人 | .297 | 202 | .533 | 本塁打王 |
柳田悠岐 | .319 | 157 | .546 | 首位打者② |
一本足打法は長打力強化のイメージを持たれる方が多いと思いますが、上記の表のように、山田選手を除く選手が首位打者を獲得しており、その山田選手もトリプルスリーを3度獲得していることから、一本足打法を取り入れている選手は打率でも高い成績を残していることが分かります。
そんな一本足打法のメリットとデメリットを解説していきます。
一本足打法のメリット
- タイミングを取りやすい
- 最短距離でボールに向かってバットを振り下ろすことが出来る
一本足打法がタイミングを取りやすい理由は、投手の投球モーションに合わせてシンクロするように打撃フォームに入れるから。
どんな投手でも両足を地面から離さずに投球する選手はいません。必ず踏み出す足を高く上げるか、クイックモーションでも必ず地面から足を離す時間があります。
一本足打法を始動させるタイミングは人それぞれですが、対峙する投手の動作と呼吸を合わせることでタイミングを合わせやすくする効果が生まれます。
もう1つのメリットである「最短距離でボールに向かってバットを振り下ろすことが出来る」については、王氏が一本足打法を取り入れた理由を元に説明します。
王氏が一本足打法を取り入れた理由は、タイミングを取りやすくするためだけでなく、欠点を克服するためのものでした。
一本足打法を取り入れる前の王氏は、打つ時に手をグルっと回してしまう癖があり、バットのヘッドが遠回りしてボールにバットが間に合わず、特にインコースを打つことを苦手としていました。
手の動きを止めるために一本足打法の練習に取り組み、手が動く癖がなくなれば二本足に戻す予定でしたが、1964年の春先の練習で二本足に戻したものの手が動く癖は直らず、一本足打法を続けた結果、その年に当時のシーズン最多本塁打となる55本塁打を記録したのです。
打撃においてタイミングを取ることはとても重要なことです。バッテリーは打者のタイミングを外すために直球と変化球を織り交ぜ投球を組み立てます。
一本足打法のメリットは、そのタイミングを取りやすくすることですが、デメリットはないのでしょうか?
一本足打法のデメリット
- バランスがとりにくく軸がぶれる
- 習得が困難
一本足であるがゆえにバランスがとりにくく、下半身が弱い選手は軸もブレやすくなるため、安易に習得することが困難なことが一本足打法のデメリットです。
一本足打法を習得するために、王氏でさえ並々ならぬ努力を積み重ねていました。
一本足打法を取り入れるために必要な練習方法
一本足打法をマスターするために大切なことは「下半身強化」です。
一本足打法を取り入れるためには、とにかくデメリットを克服することです。
下半身強化にはランニングやスクワットなど様々な練習方法があります。
少年野球の子供たちは、怪我をしないためにも正確な情報を元にトレーニングを行ってください。
一本足打法まとめ!
- バットのヘッドが遠回りすると言われる選手に効果的
- 軸ブレを防ぐための下半身強化が必要
ここまで取り上げてきたように、一本足打法には打撃の重要要素であるタイミングを取りやすくするというメリットがあります。また、その打撃スタイルから最短距離でボールを捉えることが出来る打撃方法です。
これらのことで悩んでいる選手は一本足打法を取り入れる練習を行ってみてはいかがでしょうか。