野球用語

【野球】カット打法とは?高校野球ではアウトになる!?

野球の試合を観ていて、「ファウルボールは何本打ってもアウトにはならないの?」と考えたことはありませんか?

 

日本のプロ野球においては、ファウルボールを何本打ってもアウトになることはありません。ただし、高校野球においては、ファウルボールの数によって打者アウトにすることはありませんが、審判の判断によってその打者のスイングをバントと判断した場合には、スリーバント失敗と同様に打者アウトを宣告する場合があるというのがその答えです。

カット打法とは?

打者が安打を打つためには、自身が得意とするコースや球種を投げてもらうことが一番の近道です。その投球が来るまでの間、ストライクボールをカットし続ける打法を「カット打法」と言います。

 

しかし、先に挙げたように高校野球においては、その打法の一部をバントと審判が判断した場合には、打者アウトとなるケースがあります。

 

※高校野球特別規則・8. バントの定義※

バントとは、バットをスイングしないで、内野を緩く転がるように意識的にミートした打球である。自分の好む投球を待つために、打者が意識的にファウルにするような、いわゆる「カット打法」は、そのときの打者の動作(バットをスイングしたか否か)により、審判員がバントと判断する場合もある。

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花巻東高校 千葉翔太選手

2013年夏の全国高等学校野球選手権大会、岩手県代表の花巻東高校にファウル打ちの技術と選球眼を武器に活躍する選手がいました。

153cmと小柄ながら強豪校のレギュラーを獲得した、千葉翔太選手です。

 

準々決勝の鳴門高校戦で、千葉選手のカット打法が話題を呼ぶことになります。

この試合で、千葉選手は7連続を含む15球をファウルにし、1人で相手投手に41球も投げさせて4四球を選びました。

千葉選手の打撃フォームは、特に2ストライクと追い込まれた場面では、バットのグリップを空けたバントの構えからバスターエンドランのように打ちます。

この試合中、球審を務めた小山克仁氏は千葉選手に対し、「前に打て!」と何度も忠告しています。結局、試合中にバントという判断は下さなかったものの、試合後に大会本部から「次の試合ではバントとみなすこともある」とチームに伝えられました。

準々決勝を勝ち進んだ花巻東高校は、準決勝で敗退することになりましたが、この試合、千葉選手は一切、カット打法を使いませんでした。

プロ野球におけるカット打法

プロ野球選手の中では、北海道日本ハムファイターズの中島卓也選手がファウル打ちの天才としてあげられます。

中島選手は、2016年のシーズンで規定打席に到達したパ・リーグの選手のうち、打撃成績の打率部門で最下位の選手でした(打率.243 本塁打0 三振117)。

2016年は所属する日本ハムは日本一となり、そのレギュラーとして活躍しただけでなく、中島選手は侍ジャパンにも選出されています。

 

なぜ中島選手がレギュラーとしてここまで使い続けられたのでしょうか。

 

その答えは、「しつこさ」の一言でした。

2016年シーズンでパ・リーグ最多のファウル数759本を記録し、2位の角中選手(520本)の約1.5倍ファウルを打っています。

ファウルを多く打つことで相手投手に球数を多く投げさせることに繋がり、チームへの貢献度が高いということでレギュラーとして使い続けられていました。

カット打法まとめ!

カット打法まとめ!
  • 意図的にファウルボールを打つ打法
  • カット打法の目的は、「得意球を待つ」「死球を選ぶ」「相手投手を疲弊させる」
  • 高校野球では、打ち方によってバントと判断される場合がある

花巻東の千葉選手は、強豪校でレギュラーになるために小さな体で出来ることを考え、並々ならぬ努力で習得したカット打法でしたが、審判による忠告により準決勝ではカット打法の使用をやめなければならなくなっただけでなく、「フェアプレーじゃない」と当時のマスコミにも多く取り上げられ波紋を呼びました。

 

確かに、「フェアプレーの精神」という観点では高野連の千葉選手に対する処置が正しかったとみることも出来ますが、カット打法自体がルール違反ではないこともまた事実なのです。



高校野球の強豪校まとめ!