2020年、米大リーグ・タンパベイ・レイズに移籍した筒香嘉智。
少年時代からの夢を膨らませ故郷の和歌山を離れたのは15歳のころです。
松坂大輔にあこがれて進んだ名門・横浜高校での3年間を振り返って行きます。
筒香嘉智の高校時代
横浜高校入学のキッカケ
筒香は、和歌山県橋本市出身。
小学2年生の時に和歌山ニューメッツで野球を始めます。
中学生になると大阪の堺ビッグボーイズに所属し、4番打者として30本塁打を記録。中学3年生の時には全国大会でベスト8の成績を残し、ボーイズ関西選抜の4番打者として世界大会にも出場しました。
そんな筒香には、地元関西の強豪校からの誘いもありましたが、甲子園で松坂大輔を擁する横浜高校の試合を観て感激し、自らの意志で親とボーイズの監督とともに横浜高校の練習を見学しにグランドへ。その姿が当時の横浜高校監督の渡辺元智の目に留まります。
わざわざ和歌山から来たことを伝え聞いた渡辺は、本来は違反ではあるものの、全員が帰って誰もいなくなってから、「ちょっと打ってけよ」と声を掛けます。
ジャージ姿の筒香はそのままの姿で打席に立つと、球が潰れるような打球を右打席と左打席の両方で打って見せ、正式にセレクションを受けた筒香は、見事合格し横浜高校への進学を決めます。
横浜高校入学後
筒香は高校入学後すぐに練習試合に出場します。
打席に立った際の雰囲気は、とても1年生とは思えないほど堂々とし、威圧感を与えるバッターでした。
1年の春から4番に抜擢された筒香でしたが、その年の夏の神奈川大会は準決勝で菅野智之(読売ジャイアンツ)を擁する東海大相模に4-6で惜敗。敗れはしたものの、この試合で筒香は、菅野から2安打を放っています。
新チームとなり秋の大会が始まると、横浜高校は県大会を制し、続く関東大会も優勝、第38回明治神宮野球大会では準優勝の成績を残します。
迎えた第80回記念選抜高等学校野球大会に出場した横浜高校は初戦で北大津と対戦。
筒香はこの試合、2打席目で二塁打を放つも4打数1安打に終わり、チームも2-6で敗れてしまいます。
第90回全国高等学校野球選手権記念大会
筒香が2年生の年の夏の大会は90回の記念大会でした。
横浜高校は南神奈川大会を順当に制し、第90回全国高等学校野球選手権記念大会への出場を決めます。
横浜の初戦は同じ関東の浦和学院。
筒香は第1打席で先制の2点本塁打を放つと、第4打席でもタイムリーヒットを放ち、2安打4打点の活躍を見せ、チームも6-5で勝利します。
続く広陵高校との2回戦でも2安打2打点でチームの勝利(7-4)に貢献。
3回戦の仙台育英戦でも2安打を放ち、チームも3-2で勝利し、準々決勝へ進出します。
準々決勝の聖光学院戦では筒香の打撃が爆発します。
3-1とリードした5回裏にライトスタンドへの本塁打を放つと、続く6回にも二死満塁の場面で打席が回り、今度も同じライトスタンドへ満塁本塁打を放ちます。第5打席でもレフトへ2塁打を放った筒香は、この日、3安打8打点の大活躍を見せます。
しかし、準決勝の大阪桐蔭戦では4-9で敗退。ベスト4で終わったものの、筒香は毎試合ヒットを放ち、打率.526、3本塁打、14打点と自身の力を存分にアピールした大会となりました。
プロのスカウトから注目を集めるきっかけとなった練習試合
2年生の夏の大会後、新キャプテンとしてチームのまとめ役となった筒香でしたが、椎間板ヘルニアを発症。人一倍まじめな性格の筒香は、大きな挫折を味わいます。
約3か月のリハビリ後、3年生になった筒香は、ある練習試合でプロのスカウトからより注目を集めることになります。
2009年5月30日、横浜高校は、その年の選抜準優勝校の花巻東との練習試合。
花巻東のエースである菊池雄星(シアトル・マリナーズ)は、すでにドラフト1位候補として注目されていました。筒香はこの試合の3日前に高熱を出して練習を休んでいましたが、志願して試合に出場。そして、4回に菊池が投じたカーブを見事にとらえ本塁打を放ちます。
この一発で筒香の評価は急上昇し、その後の横浜高校の練習試合では、筒香を見るために、スカウトが集まるようになりました。
筒香嘉智まとめ!
- 自ら志願して横浜高校へ入学
- 1年生の春から4番打者
- スカウトから注目されるきっかけとなった菊池雄星からの本塁打