野球用語

【野球】サスペンデッドゲームとは?適用される条件などを解説!

サスペンデッドとは、英語「suspended」と表記され、「suspend」の過去形になります。

「suspend」には、活動などを「一時中止(停止)する」という意味があります。

つまり、サスペンデッドゲーム(suspended game)とは、野球に限らず、ゴルフやテニスなどの競技中に、天災、施設の事故、照明のない競技場での日没、夜間競技中の照明の故障などにより競技の続行が不可能と判断された場合に、後日改めて中断する前の時点から再開することにして競技を一時停止した試合のことを言います。

日本野球におけるサスペンデッドゲーム

日本野球の公式ルールを定めた公認野球規則7.02において、サスペンデッドゲームに(一時停止試合)ついて次のように記されています。

試合が、次の理由のどれかによって打ち切られた場合、後日これを完了することを条件としたサスペンデッドゲームとなる。

  • 法律による娯楽制限。
  • リーグ規約による時間制限。
  • 照明の故障、またはホームクラブが管理している競技場の機械的な装置《(たとえば開閉式屋根、自動キャンバス被覆装置などの排水設備)の故障(オペレーターの過失を含む)》。
  • 暗くなったのに、法律によって証明の使用が許されていないため、試合続行が不可能となった場合。

以下、略(※詳細はhttp://yokouchibaseballclub.web.fc2.com/rules2020/rules2020-7.html#7.02を参照)。

 

なお、日本においてサスペンデッドゲームは、所属する団体の規定に従うとされています。

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プロ野球におけるサスペンデッドゲーム

日本野球機構の管轄する試合では、もともとパシフィック・リーグの公式戦でのみ設定されていました。アグリーメント(試合協定事項)では、

  1. 照明の故障
  2. 照明設備のない球場で、日没などにより試合が続行できなくなったとき
  3. 移動のため、試合続行が不可能となった場合
  4. 治安上、試合を打ち切る必要が生じた場合

のいずれかに該当するケースで、審判団・球団との協議で、このルールを適用するか否かを判断する、というものでした。

 

しかし、1994年以降は、照明設備のない球場では適用されないこととなるなど、様々な理由により、このルールは有名無実化。2012年に行われた理事会において、サスペンデッドゲームの条項が削除され、これによりNPBにおけるサスペンデッドゲームは正式に撤廃されました。

日本プロ野球における最後のサスペンデッドゲーム

日本プロ野球におけるサスペンデッドゲームは、これまで7試合ありました。

 

最初のサスペンデッドゲームは、1954年の近鉄-東映。

その後も1960年代に6試合のサスペンデッドゲームがありました。

 

そして、日本プロ野球における最後のサスペンデッドゲームは、1987年5月23日、新潟県の柏崎・佐藤池球場で行われた、「南海-ロッテ」。

 

時計の針は午後5時40分を指していました。

8回表、南海の杉浦監督が投手交代を球審に告げると、6人の審判団(線審2名含む)が集まり協議を開始。変わったばかりの投手の投球練習をやめさせると、試合を中断。この試合を日没による「サスペンデッドゲーム」と宣告しました。

 

この試合がサスペンデッドとなったのには理由がありました。

 

試合は午後2時開始予定でしたが、前日からの雨が降り続き、グラウンド整備に時間がかかった結果、試合が開始されたのは2時32分。試合開始後の2回表終了後には再度雨が降り、雨がやんでもグラウンド不良。再整備が必要となり、トラックで4トンもの砂が運ばれ、柏崎市の職員40人を動員して1時間4分後に試合が再開されました。

 

なぜ、ここまでして柏崎で試合を成立させたかったのか。

 

同球場は前年の1986年11月に完成しましたが、この日のプロ野球公式戦まで半年以上こけら落としを待っていました。これより前に柏崎でプロ野球の公式戦が行われたのは、1950年7月18日の大洋-巨人が柏崎高校のグラウンドを使用して行われたのを最後に遠ざかっていたのです。しかも、南海の本拠地である大阪球場、ロッテの本拠地である川崎球場でも閑古鳥が鳴く代表格の対戦カードだったにも関わらず、柏崎では、1万2000人分の前売り券が完売していました。何が何でも中止にするわけにはいかない事情がそこにはあったのです。

サスペンデッドゲームまとめ!

サスペンデッドゲーム
  • サスペンデッドゲームは、所属団体により規定が異なる
  • 日本のプロ野球では、過去に8試合のサスペンデッドゲーム

【2014年の全国高等学校軟式野球選手権大会の準決勝の中京-崇徳】

 

この大会は延長15回(もしくは日没をもって)で一旦打ち切り、同点の場合は翌日に16回(日没の場合はそのイニングの続き)から再開すると定められていました(決勝戦は翌日再試合)。

両校無得点のまま3日続けてのサスペンデッドゲームとなり、決着がついたのは延長50回。

この試合はアマチュア野球の日本最長記録となりました。

サスペンデッドゲームの適用により、その後のタイブレーク制の導入に拍車をかけるきっかけとなる試合となったのです。

 



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