野球をプレーしたことのある方なら自然と身に付いているオーバーラン。
ベースをオーバーランしたとしても一定のルールを守っていればアウトにならないケースもあります。
ここでは、オーバーランをする目的とともに、野球をプレーしたことのある多くの方が誤って理解しているオーバーランのルールについて解説していきます。
このことを知っているか知らないかでは、今後のプレーにも大きな影響があること間違いなしです。
オーバーランとは?
世間一般的なオーバーランは、電車がホームに停車する際に停車位置を通過して停止することや、飛行機が着陸の際に滑走路を超えてしまうことを言います。
どちらとも、本来は止まらなければいけない地点を超えて通過してしまうという意味合いを持っています。
野球におけるオーバーランも意味合いは同じで、走者が進塁する際に勢いが余ってその塁を行き過ぎることや、次の塁を狙う目的で駆け抜けることを表した言葉として使われています。
オーバーランをする目的
オーバーランを行う理由は下記のとおりです。
- 怪我の防止
- 塁への到達スピードを落とさない
- 次の塁に進む準備
とはいえ、オーバーランをするということは塁を離れることを意味するため、野手によりタッチされた場合にはアウトになってしまうので気を付けましょう。
ただし、1塁へのオーバーランだけはルール上アウトにならないケースがあります。
1塁へのオーバーラン
1塁へのオーバーランについては、誤解しているプレーヤーが多いのが実情です。
野球をやっていたことのある方は、子供のころから「ファールゾーンに駆け抜けろ」と教えられたことはなかったでしょうか。ファールゾーンに駆け抜けてさえいれば、セーフになった後に塁を離れていてもタッチアウトにはならないと。
「駆け抜ける」とはオーバーランを意味するのですが、実はファールゾーンにオーバーランをしてもタッチアウトになることがあるのです。
公認野球規則には、次のように書かれています。
バッターランナーが1塁に走るときは、直ちに帰ることを条件としてならば、オーバーランまたはオーバースライドして1塁を離れているときタッチされても、アウトにはならない。
また、アウトになるケースとして次のようにも記されています。
ランナーが1塁に触れてオーバーランまたはオーバースライドした後、直ちに1塁に帰塁しなかった場合。1塁をオーバーランまたはオーバースライドしたランナーが2塁へ進もうとする行為を示せば、タッチされればアウトになる。
この2つの文をご覧になって気付いた方も多いと思います。
どこにもファールゾーンともフェアゾーンとも記載されていないのです。
つまり、1塁ベースをオーバーランした後にフェアゾーンにいたとしても、2塁へ進もうとする行為が見られなければタッチされてもアウトにはならず、ファールゾーンにいたとしても、2塁へ進もうとする行為があった場合にはタッチされたらアウトになるのです。
オーバーランをした選手の行為(動作)を審判がどのように判断するかがポイントとなります。
オーバーランまとめ
- 怪我防止、スピードを落とさない、進塁への準備
- 1塁へのオーバーランについては誤解しているプレーヤーが多い
オーバーランについての理解は深まりましたでしょうか。
1塁へのオーバーランについては誤解をされていた方も多いと思います。
特に少年野球では、内野ゴロを処理した選手が悪送球をしたり、一塁手が捕球ミスしたりすることが多くあります。その時のためにも、プレーヤーだけではなく、子供たちの試合で審判を任されるお父さんにも知っていただきたいルールだと言えます。