プロ野球の試合を観ていると、投手が審判にボールの交換を要求したり、ファールボールで新しいボールに交換したりと、いろいろな場面でボールが交換されるところを目にします。
こんなにもコロコロとボールを交換して、いったいプロ野球の試合では何個のボールが使われているのだろう?と疑問に思ったことはありませんか?
ここでは、そんな試合球にスポットを当てて解説を行っていきます。
試合球が交換されるタイミングは?
公認野球規則において、ボールの交換という正式な項目はないものの、「審判の任務」という項目の中に審判が持っている予備のボールの使用についての記載があります。
- ボールがプレイングフィールドの外へ出た場合。
- ボールが汚れた場合、あるいはボールがなんらかの理由で使えなくなった場合。
- 投手がボールの交換を求めた場合。
これらのことが起こった場合に、審判は予備のボールを使用すると定められているため、例えば、打者からのボールの交換要求があった場合は、そのことだけでは交換は出来ず、審判がボールを確認して、(汚れているなど)交換が必要と判断した場合にのみ交換が認められます。
なお、プロ野球においてプレイングフィールドの外に出たボールについては、それを取った(拾った)方がそのままもらうことが出来ます。ただし、そのボールが何かしらの記念球であった場合などは、係員から返却を求められるケースもあります。その代わりとしてチームごとで対応は異なるものの、別の特別なサービスを受けられることもあります。
ボールの交換とは少し意味合いが異なりますが、とても心温まる動画ですね。
プロ野球では1試合でどれくらいのボールを使用する?
これまで説明してきたタイミングで行われるボールの交換ですが、ボールの交換回数には制限がありません。
それでは、プロ野球1試合あたりどれだけのボールが使用されるのでしょうか?
そして交換されたボールのその後はどうなるのでしょうか?
ボールの使用量は球場(土・人工芝など)や天候、投手の癖などによってさまざまです。
おおよそではありますが、1試合平均10ダース(120球)が使用されていると言われています。多い時には1試合で180球をしたケースもあります。
1試合平均120球とした場合、セ・パ両リーグで1年間のレギュラーシーズンに使用する試合球は10万2,960球にもなります。
120球(1試合平均)× 6試合(1日)× 143試合(1シーズン)= 102,960球
「一度交換した試合球をきれいにして再利用すれば球数は減るではないか」と考えるのが一般的ですが、一軍の公式試合において、一度交換した試合球は二度と試合では使用されません。
交換されたボールは、練習球として使用されたり、ファンサービスの一環でプレゼント用として使用されたりしています。
ただし、これは一軍の試合に限ってのことで、二軍の試合においては経費を抑えるためにボールをきれいにして再利用する球団もあります。
試合球まとめ
- ボールが交換できるタイミングには一定のルールがある
- 1試合あたり平均120球、1シーズンで約102,960球が交換されている
- 一軍の試合では、一度交換したボールは公式戦では二度と使用しない
年間でおおよそ102,960球もの試合球が使用されているプロ野球。
ミズノの公式サイトには「NPB12球団統一試合球オーセンティックボール」という名前で一軍の試合で使用する統一球が販売されています。
その1球あたりのお値段は2,648円(税込み)。
あくまで「金銭的な価値」としてではありますが、1シーズンに使用するボールだけで、約2億7千3百万円が使われています。
プロ野球の試合でファールボールがスタンドに入るたびに、「約2,500円が消えていった」と考えてみると面白いのではないでしょうか。