メジャーリーグに興味があって、応援してみたい気持ちはあるんだけど…
リーグやチーム、ポストシーズン、ドラフトなど
日本の野球とは違うことが多すぎて、イマイチ仕組みが理解できないんだよなぁ…
という方に向けて、今回の記事ではメジャーリーグの仕組みについてイチから解説していきます。
この記事を通して、あなたもメジャーリーグのファンになっちゃおう!
チーム数とリーグの仕組み
メジャーリーグはアメリカンリーグとナショナルリーグの2つのリーグから成り、それぞれに15チームが所属しています。
また、両リーグともに東地区、中地区、西地区の3地区に分けられており、各地区に5チームずつ所属しています。
以下に、それぞれのリーグや地区の構成をまとめました。
※地区名をタップすると所属チームが確認できます。
- ヒューストン・アストロズ(Houston Astros)
- オークランド・アスレチックス(Oakland Athletics)
- ロサンゼルス・エンゼルス・オブ・アナハイム(Los Angeles Angels of Anaheim)
- テキサス・レンジャーズ(Texas Rangers)
- シアトル・マリナーズ(Seattle Mariners)
- ミネソタ・ツインズ(Minnesota Twins)
- クリーブランド・インディアンス(Cleveland Indians)
- シカゴ・ホワイトソックス(Chicago White Sox)
- カンザスシティ・ロイヤルズ(Kansas City Royals)
- デトロイト・タイガース(Detroit Tigers)
- ニューヨーク・ヤンキース(New York Yankees)
- タンパベイ・レイズ(Tampa Bay Rays)
- ボストン・レッドソックス(Boston Red Sox)
- トロント・ブルージェイズ(Toronto Blue Jays)
- ボルチモア・オリオールズ(Baltimore Orioles)
- ロサンゼルス・ドジャース(Los Angeles Dodgers)
- アリゾナ・ダイアモンドバックス(Arizona Diamondbacks)
- サンディエゴ・パドレス(San Diego Padres)
- サンフランシスコ・ジャイアンツ(San Francisco Giants)
- コロラド・ロッキーズ(Colorado Rockies)
- セントルイス・カージナルス(St. Louis Cardinals)
- ミルウォーキー・ブリュワーズ(Milwaukee Brewers)
- シカゴ・カブス(Chicago Cubs)
- シンシナティ・レッズ(Cincinnati Reds)
- ピッツバーグ・パイレーツ(Pittsburgh Pirates)
- アトランタ・ブレーブス(Atlanta Braves)
- ワシントン・ナショナルズ(Washington Nationals)
- ニューヨーク・メッツ(New York Mets)
- フィラデルフィア・フィリーズ(Philadelphia Phillies)
- マイアミ・マーリンズ(Miami Marlins)
メジャーリーグのレギュラーシーズンは3月末から9月末まで、162試合行います。
レギュラーシーズン中は、どのチームも同じリーグの全てのチームと対戦しますが、なかでも同じ地区のチームと比較的多く対戦します。
また、両リーグともチーム数が奇数であることから、レギュラーシーズン中は常に異なるリーグのチーム同士の対戦が最低1組あります。
つまり、日本球界におけるいわゆる交流戦が、レギュラーシーズン中は常にどこかで行われているということです。
⇒ 初心者にはどこのチームがおススメ?メジャーリーグ(MLB)の球団をタイプ別に紹介!
マイナーリーグの仕組み
日本球界のチームの傘下には2軍や3軍があり、そこに所属している選手は1軍昇格を目指してプレーをしていますが、メジャーリーグにも似たシステムが存在します。
それは、マイナーリーグという組織です。
このマイナーリーグにおいても、選手はメジャーリーグ昇格を目指してプレーしていますが、日本球界の2軍や3軍とは、いくつかの仕組みが大きく異なります。
ここでは、そのような仕組みを中心に、マイナーリーグについて説明していきます。
階級や球団数が多い
日本球界の場合、各チームの傘下には、多くても2チーム(2軍と3軍)しかありません。
しかし、メジャーリーグの場合、各チームの傘下には7~9チームあり、階級も細かく分かれています。
階級は7つあり、上からトリプルA(Triple-A)、ダブルA(Double-A)、アドバンスドA(Class A-Advanced)、クラスA(Class A)、ショートシーズンA(Class A Short Season)、ルーキー・アドバンスド(Rookie Advanced)、ルーキー(Rookie)となっています。
チームによって、ルーキー・アドバンスドにチームが無い場合や、ルーキーに4球団ある場合があるため、チーム数はまちまちです。
また、トリプルAからクラスAまでは毎年140試合程度開催されますが、ショートシーズンA以下は70~75試合程度しか開催されません(開催期間は6月中旬から9月初旬まで)。
選手への待遇の差が激しい
日本球界の場合、1軍の選手と同様に、2軍以下に所属している選手に対しても年俸制が適用されています。
しかし、年俸制が敷かれているメジャーリーグとは異なり、マイナーリーグでは月給制が敷かれているうえ、月給が支払われるのはレギュラーシーズンが開催されている期間のみとなっています。
さらに、月給そのものも非常に低く、ルーキーに所属している選手は1150ドル程度、トリプルAに所属している選手でも3000ドル程度にとどまっています。
結果的に、マイナーリーグの選手の平均年収は8000~8500ドル程度となっており、最低年俸が555000ドルとなっているメジャーリーグの選手とは大きな差があります。
なお、マイナーリーグでは、階級を問わず食事代(Meal Money)として1日25ドルが支給されます。
国外にもリーグが存在する
日本球界の場合、2軍以下の本拠地は1軍の本拠地に近い傾向があります。
マイナーリーグにおいても、トリプルAなどの上位のチームは近い場合がありますが、ルーキーのチームの場合、本拠地が遠方あるいは国外にある場合があります。
その1つの例がルーキーのドミニカン・サマーリーグ(DSL)です。
DSLは6月上旬から8月下旬までに、ドミニカ共和国にて開催されるリーグであり、ドミニカ共和国やベネズエラなどのラテンアメリカ出身の選手がプレーしています。
ラテンアメリカ出身の選手は、球団と契約したらすぐに渡米するのではなく、最初はDSLでプレーをしていることが多いようです。
また、国外に存在するリーグとして、メキシカンリーグというものもあります。
メキシカンリーグはメジャーリーグとは別の独立したリーグですが、多くの選手がメジャーリーグを目指している点ではマイナーリーグに似ており、メジャーリーグからはトリプルAとみなされています。
メジャーリーグのドラフト制度
日本球界と同様に、メジャーリーグにもドラフト会議が存在し、各チームが高校や大学などに在籍している有力なアマチュア選手を指名し獲得しています。
しかし、メジャーリーグのドラフト会議の仕組みは、日本球界と大きく異なります。
完全ウェーバー制が採用されている
日本球界の場合、1巡目では入札抽選制度が導入されており、どの球団も対等に選手を指名し、重複した場合は競合するようになっています。
しかし、メジャーリーグの場合、ドラフトにより戦力の均衡を目指しているため、前年の勝率の低い球団から指名を行う完全ウェーバー制が導入されています。
また、指名した選手の契約交渉権を確実に得ることができるため、競合もありません。
さらに、2巡目以降にも勝率の低い球団から指名する完全ウェーバー制が適用されているため、ドラフト会議においては、勝率の低い球団ほど大きなアドバンテージを得ることができます。
指名できる人数が多い
日本のドラフト会議では、原則1チーム10人となっており、中には10人も指名しないチームもあります。
しかし、メジャーリーグのドラフトは40巡目まであるうえ、どのチームも40巡目まで指名を行います。
そのため、ドラフト会議は極めて長くなり、2019年は3日にわたって開催されました。
とはいえ、下位で指名された選手がメジャーリーグで通用することは非常に稀であるため、そのような選手は入団を辞退することが多いようです.
指名できる人数はチームによりまちまち
メジャーリーグのドラフト会議では、どのチームにも40巡目まで与えられますが、指名できる人数は球団によってまちまちです。
まず、1巡目と2巡目の間および2巡目と3巡目の間に、戦力均衡ラウンドがあります。
このラウンドは、市場規模の小さいチームが指名権を得ることのできるラウンドであり、例年マイアミ・マーリンズやタンパベイ・レイズ、ボルチモア・オリオールズといった観客動員の少ないチームや、本拠地のある都市の小さいチームが指名権を得ています。
また、前年度の1巡目で指名された選手が何らかの理由で入団を辞退した場合、辞退されたチームは翌年の1巡目に2人指名することができるようになります。
さらに、トレードの駒としてドラフトの指名権を譲る場合や、フリーエージェントにより失った主力選手の補償として指名権を得る場合などがあり、指名できる人数はチームにより大きく異なってきます。
中には、上位にて多くの指名権を得たため、有利にドラフト会議を進めていくチームもあるようです。
ドラフトを経由せずに入団する選手が多い
日本球界の場合、外国人選手を除くほとんどの選手がドラフトを経由して入団しています。
しかし、メジャーリーグの場合は、ドラフトを経由せずに入団する選手が多くいます。
その代表例が、ドミニカ共和国やベネズエラなどのラテンアメリカ出身の選手です。
そのような選手は、入団する前は実質フリーエージェントとして扱われており、自由に獲得することができます。
ドラフト出身の選手と同様に、メジャーリーグにて活躍できる選手はごくわずかですが、レッドソックスのエースとして通算219勝を記録したペドロ・マルティネスや、カブスの主砲として609本塁打を記録したサミー・ソーサは、ドラフトを経由せずに入団した選手の代表例です。
ポストシーズンの仕組み
メジャーリーグのレギュラーシーズンが9月末に終わると、ワールドチャンピオンを決めるためのプレーオフが始まります。
プレーオフに進出することができるのは、両リーグの各地区で優勝したチームと、これらのチームを除いたときに勝率がリーグ1位もしくは2位となるチーム(ワイルドカード)です。
つまり、プレーオフに進出するのは、各リーグで5チームずつということになります。
ここからは、プレーオフを段階ごとに説明していきます。
ワイルドカードで進出した各リーグの2チームが、プレーオフの最初に対戦します。
この対戦はワイルドカードゲームと呼ばれ、1試合のみ行われます。
1試合しか行われず、圧倒的なエースのいるチームが有利となるため、勝率2位のチームが勝率1位のチームを倒すことが時々起こります。
各リーグで地区優勝を果たした3チームと、ワイルドカードゲームに勝った1チームが対戦します。
このとき、地区優勝したチームの中でも最も勝率の高いチームがワイルドカードゲームの勝者のチーム、勝率2位のチームと勝率3位のチームという組み合わせで対戦します。
また、ディビジョンシリーズでは、先に3勝したチームが勝ち進むことになっています。
各リーグのディビジョンシリーズを勝ち抜いた2チームが対戦するシリーズです。
ワールドシリーズに出場するチームを決めるシリーズでもあり、先に4勝したチームが勝ち進むことになっています。
各リーグのチャンピオン同士が対戦するシリーズです。
先に4勝したチームがワールドチャンピオンとなります。
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メジャーリーグのプレーオフでは多くのシリーズが開催されるため、その期間も長くなりますが、例年ワールドシリーズは10月下旬から11月初旬頃に終わります。
まとめ!
- メジャーリーグは2つのリーグから構成されており、各リーグには3地区、各地区には5チーム所属している。
- マイナーリーグには7つの階級があり、上からトリプルA、ダブルA、アドバンスドA、クラスA、ショートシーズンA、ルーキー・アドバンスド、ルーキーとなっている。
- メジャーリーグのドラフトでは、戦力均衡を目的として完全ウェーバー制が採用されている。
- メジャーリーグのプレーオフには、各リーグ5チームずつ進出することができ、ワイルドカードゲーム、ディビジョンシリーズ、リーグチャンピオンシップシリーズ、ワールドシリーズを経てワールドチャンピオンが決まる。
メジャーリーグの仕組みを理解したら、次はチームの特徴について学んでみましょう!