高校野球では愛工大名電、中京大中京、三重高校など強豪が揃う東海地区はその系列大学も凌ぎを削っています。
しかし、大学野球では地元選手が関東または関西に進学する傾向が強いためにやや印象は薄いです。そのなかでも岩瀬仁紀、浅尾拓也、田島慎二は地元愛知の無名校から県内の大学で腕を磨いて中日を支えました。
また、愛知県以外の岐阜や北陸エリアにも関西などから素質のある選手が鍛えられるチームが出てきており全国でも上位に進出して注目度が集まっています。
- 広島のクセ者・菊池を輩出 中京学院大学
- 好素材を生み出す赤い軍団 中部学院大学
- 神宮で実力を発揮 愛知学院大学
- スポーツ名門の復活を 中京大学
- 北陸で永遠の強豪 福井工業大学
中京学院大学（岐阜県）
岐阜県に所在し、系列の中京学院大中京（旧・中京）も甲子園常連校として認知されています。
創部は90年代と新しいチームですが、地道な活動を続けると全国大会未経験ながら菊池涼介が守備力を評価されて大学日本代表候補となり、プロでもすぐにレギュラーを掴みました。
また同じ内野手では系列校から進学した吉川尚輝（巨人）が4年生で活躍した大学選手権ではノーマークの状態から一気に優勝を勝ち取りました。
高校時代に輝かしい実績を残した選手はほとんどいないなかでソツのない野球を展開しており今後も新たな好素材が出てくるのではと期待されます。
中部学院大学（岐阜県）
90年代後半の創部という新しいチームながら急速に成長してきました。
県立岐阜商～東北福祉大出身の原監督は社会人でも指導経験があり、そのネットワークと指導力で無名の選手たちを鍛え上げています。
赤いユニフォームが印象的ですが、同じカラーの広島へドラフト1位で入団した野間峻祥に続いて床田寛樹投手も主力投手として期待されています。
東海地区大学野球連盟に所属しており、全国出場には三重、静岡の優勝チームと決定戦、また秋は愛知、北陸の王者と対戦するという難関があるなかで常連校になりつつあり関係者も注目する存在です。
愛知学院大学（愛知県）
東海地区においては、70年代から躍進を続けている大学です。
大学選手権で準優勝を遂げた際のエース・小林秀一は巨人からドラフト1位指名を受けながら拒否した唯一の選手として有名になりました。
その小林氏は現役引退後に監督として明治神宮大会で優勝に導くなど野球部に輝かしい実績を残してきました。
しかし病気で退任後は監督の交代が相次ぎ、他校の強化もあってリーグでも下位に沈むシーズンもありました。
そのなかでも神宮での全国舞台に出場すると上位に進出する実力があり、西武で活躍する源田壮亮も準優勝を経験してステップアップしました。
中京大学（愛知県）
中京大学は東海地区を代表するスポーツ名門校です。
陸上では箱根駅伝の名将・原晋監督（青学大）や室伏広治、スケートでは浅田真央選手などを輩出しています。
野球部もこのエリアでは早くから実績を残しており、1970年には大学選手権、明治神宮大会で優勝を飾っています。
この時期は系列の中京（現・中京大中京）、三重高校からも甲子園経験者が入学していました。その後は指導者志望の選手以外に有力選手の入部が少なくなってしまい愛知学院、愛知工大などの後塵を拝す状況でした。
高校野球部も2000年代以降に復活してきた経緯があるため、大学の躍進も望まれています。
福井工業大学（福井県）
平成以降は高校野球で系列の福井工大福井が甲子園常連校として定着しつつあります。
その高校よりも全国舞台での実績を持つのは兄貴分の福井工大です。
70年代から全国常連として知られており、地方リーグとしては当時珍しく伊藤敦規、水尾嘉孝という二人のドラフト1位投手を輩出しました。
選手は地元以外にも東海、西日本エリアから集まっており工業大学ならではの実習をこなしながら成長してきた歴史があります。
その後はスポーツ系の学科も新設されてさらに強化に取り組んでおり、大学野球で北陸悲願の全国制覇を目指しています。
⇒【大学野球】強豪、名門はどこか！チームの特徴や実績などを紹介！
東海、北陸の強豪校まとめ！
東海・北陸地区の大学野球ですが、東海エリアに関しては高校野球の成績に対してみるとやや物足りない印象です。
愛知大学野球リーグなどは加盟校も多く、強化している大学数もかなりあるためにすそ野は広いために中日で活躍の浅尾、田島といった選手のように下部リーグからも好素材が出てくる面白さは秘めています。
一方で東海地区や北陸大学野球は全国舞台では物おじせずに着実に上位進出へ近づいている状況です。
いずれのエリアも関東、関西に少し差をつけられた全国での実績面でも盛り返しを期待したいところです。
