ホームラン性の打球が描く放物線はとてもきれいなものです。
多くの観客はその放物線を目で追い、スタンドに入ると同時に大きな歓声を上げます。
一方で、打球の放物線ではなく、打球を放った打者にクローズアップをしてみると、打った後に行う「バット投げ」に目がいきます。
選手個々に特徴があるバット投げ。
バット投げを格好いいと思い、色々な選手の真似をした記憶はないでしょうか。
ここでは、バット投げについて印象的な選手を取り上げながら、映像とともに紹介していきます。
原辰徳(元読売ジャイアンツ)
現在は読売ジャイアンツで監督を務める原辰徳。
世代問わず、この映像を見たことのある方も多いのではないでしょうか。
1992年7月5日の東京ヤクルト戦。
2点ビハインドで迎えた9回表。1塁にランナーがいる場面で原に打席が回ってきます。
尻もちをつくような内角攻めを受けていた原でしたが、試合を振り出しに戻す起死回生の一発をレフトスタンドに叩き込みます。
打った瞬間にホームランと分かる打球を目で追いながらドヤ顔でバットを空高く放り投げる姿はとても印象的です。
このバット投げについては、それまでに受けた内角攻めに対する「怒りのバット投げ」と言い表している記事や動画も見かけます。
中村紀洋(近鉄バッファローズなど)
バット投げを取り上げる際には忘れてはいけない選手です。
「バット投げ」とサイト上で検索をすると、必ずと言って良いほど「中村紀洋」の名前も挙がってきます。
中村は鏡を見ながらバット投げの練習をしていたという話もあるほどで、まさしく、バット投げの代表的な選手であるということが出来ます。
様々な選手のバット投げが動画にアップされていますが、この動画のように片膝を着いてのバット投げは中村以外にはほとんど見ることがありません。
中村は様々なチームを渡り歩きましたが、どのチームに属していてもバット投げをやめることはありませんでした。
小笠原道大(北海道日本ハムファイターズなど)
小笠原のバット投げは、原の「うっ憤を晴らすかのようにとれるバット投げ」や中村の「パフォーマンスのように見せるバット投げ」とは異なり、スイングをし始めてからバット投げが一連の動きの中で行われています。
また、ホームランを放つほとんどの打席においてバット投げが行われているのが特徴です。
福留孝介(中日ドラゴンズなど)
小笠原同様にスイングからの一連の流れで投げ出されるバットは美しいの一言です。
どのように投げればこれほどまでにきれいにバットが回転するのだろうかと考えてしまいます。
2006年に行われた第1回ワールドベースボールクラシックの準決勝(韓国戦)。
試合も後半に差し掛かった7回に代打で出場した福留が均衡を破る見事なホームランを放ちました。
アナウンサーが声を裏返すほどのインパクトのあるホームランを目に焼き付けている方も多いと思いますが、この時のバット投げもまた美しいものでした。
バット投げまとめ
- 打球を放った後に意図的にバットを投げる
- スイングの流れの中でバットを投げる
ここまでご紹介したように、バット投げはプレーの中の一部であるだけでなく、選手によってはパフォーマンス的要素も含んでいることが分かりました。
しかしながら、海の向こうのメジャーリーグでは、ホームランを放った後に行うバット投げ(意図的)が挑発行為と捉えられることもあり、しばしば議論となっています。
もちろん、これらの行為を禁止するような文言は公式野球規則には記されていませんが、相手投手に対し、挑発かつ侮辱と捉えられてしまう行為でもあるということは覚えておきましょう。