2018年にワールドシリーズ優勝を果たしたボストン・レッドソックスは、メジャーリーグの30球団の中でも強豪の1つとして知られています。
21世紀に入ってからは2004年、2007年、2013年、2018年と4度ワールドシリーズを制覇しています。
しかし、2004年の前に優勝したのは1918年であり、86年もの間、レッドソックスは優勝から遠ざかっていました。
そして、レッドソックスのファンの間では、これは「バンビーノの呪い」のせいだと言われてきました。
バンビーノの呪い、その始まりとは?
引用:wikipedia
バンビーノの呪いにおける「バンビーノ」とは、「野球の神様」と呼ばれるベーブ・ルースの愛称です。
ルースの通算成績は驚異的なものであり、714本塁打は史上3位、2214打点は史上2位、OPS1.164は史上1位となっています。
また、キャリアの序盤は投手としても活躍しており、1916年には最優秀防御率に輝いています。
ところで、ルースといえばニューヨーク・ヤンキースの選手としてのイメージが強いですが、1919年まではレッドソックスに所属していました。
そして、バンビーノの呪いとは、ルースをヤンキースに放出したことにより始まった、ワールドシリーズを優勝することができないというジンクスです。
レッドソックスがルースを放出した当時、ルースは2年連続で本塁打王を獲得しており、1918年のワールドシリーズ制覇にも貢献していました。
しかし、1919年のシーズン終了後、ルースは年俸の倍増をレッドソックスに要求し、レッドソックスはこれを拒否してしまいます。
これに対し、ルースは引退をちらつかせるといった強硬策をとったため、レッドソックスのオーナーであったハリー・フレイジーは金銭トレードによりルースをヤンキースに放出してしまいました。
その後、ルースはヤンキースにて10回本塁打王に輝いたうえ、ヤンキースを初のワールドシリーズ制覇に導きました。
一方で、レッドソックスは低迷期に突入し、1920年から1933年まで14年連続で負け越してしまいました。
やがて低迷期を脱出しましたが、レギュラーシーズンに好成績を残しても、ワールドシリーズを制覇することができないという状態が続きます。
- 1946年、レッドソックスは104勝50敗という圧倒的な成績でレギュラーシーズンを終え、ワールドシリーズ制覇の本命とされていましたが、ワールドシリーズではセントルイス・カージナルスに3勝4敗と、惜しくも敗退してしまいました。
- 1967年、レッドソックスは92勝70敗という成績でワールドシリーズに進出しますが、再びカージナルスに3勝4敗で敗れてしまいました。
- 1975年、レッドソックスは95勝65敗という成績でワールドシリーズに進出しますが、シンシナティ・レッズに3勝4敗で敗れてしまいました。
- 1986年、レッドソックスは95勝66敗という成績でニューヨーク・メッツとのワールドシリーズに進出し、第6戦にはワールドシリーズ制覇にまであと1アウトに迫りますが、一塁手であったビル・バックナーのエラーをきっかけに逆転負けを喫し、第7戦も敗れてワールドシリーズ制覇を逃しました。
- その後も1988年、1990年、1995年、1998年、1999年、2003年とプレーオフに進出しますが、ワールドシリーズに進出する前に敗退しています。
バンビーノの呪いが解けた2004年
長年ワールドシリーズ制覇を逃し続けていたレッドソックスですが、2004年についにワールドシリーズ制覇を果たし、バンビーノの呪いを解くことに成功しました。
この年のレッドソックスは投打にスター選手を抱えており、投手陣には21勝を記録したカート・シリング、16勝を記録したペドロ・マルティネス、打線には43本塁打を記録したマニー・ラミレス、41本塁打を記録したデビッド・オルティーズが所属していました。
また、プレーオフにてヤンキースを4勝3敗で破るなど、勝負強さも兼ね備えており、ワールドシリーズではカージナルスを4勝0敗で退けて、86年ぶりの優勝を果たしました。
レッドソックスはそれ以降、再び強豪として君臨しています。
以下の動画は、レッドソックスが優勝を決めた瞬間のものです。
メジャーで有名な呪い、ジンクスとは
メジャーリーグには、レッドソックスのバンビーノの呪いと同じような、「優勝できない」というような呪いやジンクスがいくつか存在します。
ビリー・ゴートの呪い
シカゴ・カブスに起きた、ヤギの入場を断ったことにより始まった呪いです。
カブスは1945年以降、2016年までワールドシリーズに進出することができませんでした。
ブラックソックスの呪い
シカゴ・ホワイトソックスに起きた、ブラックソックス事件により始まった呪いです。
ホワイトソックスは1917年以降、2005年までワールドシリーズを制覇することができませんでした。
ロッキー・コラビトの呪い
クリーブランド・インディアンスに起きた、ロッキー・コラビトの放出により始まった呪いです。
インディアンスは1960年から1993年の間、プレーオフに進出することができず、レギュラーシーズンにて3位以上になったことは1度しかありませんでした。
まとめ!
- バンビーノの呪いとは、ボストン・レッドソックスが1919年のオフシーズンにベーブ・ルースを放出してから、ワールドシリーズを制覇することができなくなったというジンクス。
- 1919年以降、レッドソックスは何度もワールドシリーズ制覇をあと少しのところで逃していた。
- 2004年にワールドシリーズ制覇を果たし、ついにバンビーノの呪いを解いた。
- メジャーリーグには他にも、ビリー・ゴートの呪いやブラックソックスの呪いなどがある。