突然ですが、「野球の基本は?」と聞かれたら、何と答えますか?
ランニング・素振りなど色々な答えはありますが、多くの方は「キャッチボール」とお答えになると思います。明確な答えはなくても、野球をする上でキャッチボールは非常に重要な練習であることには間違いはありません。
そのキャッチボールをより効果的に、そして、より実践的にした練習方法に「ボール回し」というものがあります。
ここでは、ボール回しの目的を説明したうえで、より効果的なボール回しの練習方法についても取り上げていきたいと思います。
ボール回しをする意味
ボール回しを行う理由は1つではありません。
選手それぞれが目的意識を持って行うことで、ボール回しの効果や意味合いも変わります。
そんな中でも、ボール回しを行う意味として一般的に考えられるのは次の4つとなります。
- 正確な送球
- 捕球してからの素早い送球
- 掛け声で士気をあげる
- ウォーミングアップ
ボール回しのコツ
それでは、実際のボール回しについて、「捕球前の準備」、「捕球~送球の流れ」に分けて解説していきます。
捕球前の準備
この時のポイントは、ボールが上下左右に逸れた時にでもすぐに動ける姿勢をとることです。
また、送球相手が投げやすいように、目標をしっかりと作ってあげましょう
- 内野手が構える時と同じように足を広げ、軽く前傾姿勢をとる
- 目標を大きく見せるために両手を広げる
- 大きな声で呼び込む
捕球~送球(右回り・右投げの場合)
この時のポイントは、胸の近くで捕球し、素早く正確な送球をすることです。
- グラブの土手に右手を添えて、左足を踏む出しながら体の近くで捕球
- 右足の内側を送球方向にしっかりと踏み出しながらボールを握り替える
- 左足のつま先を送球相手に向けて踏み出し送球
この動きを「イチ・ニッ・サン」とリズムよくと行うことがとても重要です。
また、①を省き②の動作と同時に捕球をすることで、より素早さを増すことも出来ます。
ボール回しの種類
ボール回しの練習には様々な種類があります。
高校野球の強豪校でもある大阪桐蔭高校も、実践を見据えたボール回しを行っています。
この中で取り上げたいのが、距離を縮めたボール回しです。※1分50秒~
塁間の約半分くらいの距離で行うボール回しは、よりスピード感が増し、無駄な動きも少なくなる効果が期待できます。
特に少年野球では、チーム内で塁間を正確に投げることの出来る選手は多くはありません。
右に左にボールが逸れてしまい、ただ単にボールを回しているという結果を招いてしまいがちです。
また、一度捕球したボールを地面に落とし、それをすぐに拾って送球する練習も効果的です。※2分5秒~
野球にエラーはつきものです。
エラーをしてしまうと慌ててしまい、その後すぐに捕球することが出来なかったり、悪送球してしまった経験はないでしょうか。
より実践を見据えた練習を取り入れることで、万が一に備えたシチュエーションも体に覚え込ませましょう。
また、少年野球では落としたボールをグラブで取る子供たちをよく見かけますが、この動画でもあるように、落としたボールは必ず投げる方の手で掴むようにしましょう。
ボール回しまとめ
- キャッチボールをより実践的にした練習方法
- ボールを回すことが目的ではなく、しっかりとした目的を持つ
- 捕球後にボールを落としたり、走りながら捕球と送球をしたり等、色々な練習方法がある
高校野球などでは、試合前のシートノック時にボール回しを行うチームが多くあります。
試合前であるため、ウォーミングアップの意味合いも多く含んではいますが、大きな掛け声とともにスピーディーで正確なボール回しをするチームはそれだけで強いチームに見えます。
このこともまた、ボール回しが持つ意味なのかも知れません。