2019年に引退したイチローは、多くのプロ野球の目標となってきました。
特に、シアトル・マリナーズやトロント・ブルージェイズなどでプレーした川崎宗則は、イチローの大ファンとして知られており、マリナーズでイチローと共にプレーしたこともあります。
今回の記事では、川崎のメジャーリーグでの成績や活躍について解説します。
川崎宗則、メジャーでの活躍
1999年のドラフトで福岡ダイエーホークスに入団した川崎は、ベストナインとゴールドグラブ賞を2回ずつ受賞するなど、日本を代表する遊撃手として活躍してきました。
そんな川崎は、2011年のオフシーズンに海外FA権を行使し、メジャーリーグに挑戦すること表明します。
このとき、川崎はイチローのいるマリナーズに入団することを強く希望しており、最終的にマリナーズとマイナー契約を結びました。
その後、川崎は招待選手としてスプリングトレーニングに参加し、打率.455、OPS1.012という好成績を残した結果、開幕メジャーリーグ入りを果たします。
そして、4月7日にメジャーリーグデビューを果たし、第2打席にはメジャーリーグ初安打、初打点となるタイムリーヒットを放ちました。
この年、川崎は主に代走や内野の守備固めとしてプレーし、打率.192を記録しましたが、オフシーズンにはFAとなってしまいます。
しかし、川崎は2013年3月13日にブルージェイズとマイナー契約を結び、4月13日にはメジャーリーグに昇格しました。
すると、川崎はメジャーリーグに定着し、打率.229、OPS.634と成績を向上させます。
5月26日のボルチモア・オリオールズ戦ではメジャーリーグでは初となるサヨナラ安打を放ちました。
さらに、6月21日のオリオールズ戦では、メジャーリーグ初本塁打を記録しています。
その後、川崎はオフシーズンに再びFAとなりますが、ブルージェイズと再びマイナー契約を結びました。
すると、川崎は4月15日にメジャーリーグに昇格し、内野の控えとしてメジャーリーグに定着します。
最終的に、川崎は自己最高の打率.258を記録しただけでなく、二塁手や三塁手として好プレーを見せるなど、攻守でまずまずの成績を残しました。
川崎は2015年もブルージェイズとマイナー契約を結びましたが、シーズン中はロースターの都合により昇格と降格を繰り返したため、わずか23試合の出場に終わってしまいます。
その後、川崎はオフシーズンにはFAとなりましたが、シカゴ・カブスとマイナー契約を結びました。
カブスでも出場機会は限られており、わずか14試合の出場に終わったうえ、プレーオフのロースターに入ることもできませんでしたが、チームには帯同し、カブスの108年ぶりとなるワールドシリーズ制覇に立ち会っています。
シーズン終了後、川崎は再びカブスとマイナー契約を結びますが、シーズンが始まる前に契約を解除し、ソフトバンクに復帰しました。
川崎のプレースタイル
川崎の打撃における武器はコンタクト能力であり、メジャーリーグでは「投手の球数を多くすること」や「出塁すること」を意識して打席に立っていたようです。
そのため、2012年には289打席で32四球を選んでおり、打率.229ながら出塁率.326を記録しています。
また、川崎はメジャーリーグにて、本職の遊撃手だけでなく、二塁手や三塁手を務めることが多くありました。
UZRやDRSなどの守備指標は平凡ですが、好守を見せることは多くあったようです。
川崎の年度別成績
年度 | チーム | 試合 | 安打 | 本塁打 | 打点 | 盗塁 | 打率 | OPS |
2001 | ダイエー | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | .000 | .200 |
2002 | ダイエー | 36 | 26 | 0 | 8 | 3 | .232 | .616 |
2003 | ダイエー | 133 | 145 | 2 | 51 | 30 | .294 | .729 |
2004 | ダイエー | 133 | 171 | 4 | 45 | 42 | .303 | .746 |
2005 | ソフトバンク | 102 | 108 | 4 | 36 | 21 | .271 | .672 |
2006 | ソフトバンク | 115 | 140 | 3 | 27 | 24 | .312 | .774 |
2007 | ソフトバンク | 95 | 126 | 4 | 43 | 23 | .329 | .809 |
2008 | ソフトバンク | 99 | 136 | 1 | 34 | 19 | .321 | .744 |
2009 | ソフトバンク | 143 | 140 | 4 | 34 | 44 | .259 | .684 |
2010 | ソフトバンク | 144 | 190 | 4 | 53 | 30 | .316 | .765 |
2011 | ソフトバンク | 144 | 161 | 1 | 37 | 31 | .267 | .637 |
2012 | SEA | 61 | 20 | 0 | 7 | 2 | .192 | .459 |
2013 | TOR | 96 | 55 | 1 | 24 | 7 | .229 | .634 |
2014 | TOR | 82 | 62 | 0 | 17 | 1 | .258 | .623 |
2015 | TOR | 23 | 6 | 0 | 2 | 0 | .214 | .598 |
2016 | CHC | 14 | 7 | 0 | 1 | 2 | .333 | .890 |
2017 | ソフトバンク | 42 | 33 | 0 | 4 | 0 | .241 | .623 |
NPB | 12年 | 1187 | 1376 | 27 | 373 | 267 | .292 | .720 |
MLB | 5年 | 276 | 150 | 1 | 51 | 12 | .237 | .609 |
- SEA:シアトル・マリナーズ
- TOR:トロント・ブルージェイズ
- CHC:シカゴ・カブス
各年度の太字はリーグ最高
川崎にまつわるエピソード
① イチローの大ファン
川崎はイチローの大ファンとして知られており、マリナーズに入団したのは、イチローと同じチームでプレーすることを希望していたためです。
また、川崎は日本球界にて「イチローの1つ後」の背番号52を付けていましたが、マリナーズでは背番号52が空いていなかったため、「逆から読めばイチロー」の背番号61を付けました。
しかし、イチローは2012年の7月23日に、トレードでニューヨーク・ヤンキースに移籍してしまいます。
これについて川崎は、「ショックではないです。イチローさんが元気にプレーしているのが一番うれしい。」「この6カ月間は貴重な経験ができました。」とコメントしています。
なお、イチローが2013年8月23日のブルージェイズ戦にて日米通算4000安打を記録した際、川崎は二塁手として出場していました。
② ムードメーカー
川崎はメジャーリーグ時代、明るい性格のムードメーカーとして知られていました。
2013年5月26日に、サヨナラ安打を放ったときのインタビューは、面白いインタビューとしてファンの記憶に残っています。
また、川崎はその性格から多くの選手に愛されており、2014年にはボストン・レッドソックスの主砲であるデビッド・オルティーズに突然ハグをされ、話題になりました。
さらに、カブスに在籍していた2016年のスプリングトレーニングでは、本塁打を打った際にサイレントトリートメントを受けています。
まとめ
- 川崎は2012年にマリナーズに入団し、以後5年間にわたりメジャーリーグでプレーした。
- メジャーリーグでは、主に内野の守備固めや代走として出場し、二塁手や三塁手も経験した。
- 川崎はイチローの大ファンとして知られており、イチローとプレーすることを希望していたため、マリナーズに入団した。
- 川崎は明るい性格のムードメーカーとして活躍しており、多くの選手から愛された。