野球用語

【野球】ファウルチップのルールを解説!アウトになるのは?ファウルフライとの違いは?

あなたは「ファウルチップ」と「ファウルボール」の違いについて、明確に説明することは出来ますか?

何となくは分かっていて、これまで野球をしている中でも、特に困ったことがないから調べたことはない、という方も多いのではないでしょうか。

ファウルチップは、公認野球規則における用語の定義において、以下の通り記されています。

FOUL TIP「ファウルチップ」〈2.34〉—

打者の打ったボールが、鋭くバットから直接捕手の手に飛んで、正規に捕球されたもので、捕球されなかったものはファウルチップとならない。

ファウルチップはストライクであり、ボールインプレイである。前記の打球が、最初に捕手の手またはミットに触れておれば、はね返ったものでも、捕手が地面に触れる前に捕らえれば、ファウルチップとなる。(5.09a2)

チップしたボールが、捕手の手またはミット以外の用具や身体に最初に触れてからはね返ったものは、たとえ捕手が地面に触れる前に捕らえても、正規の捕球ではないから、ファウルボールとなる。

 

ファウルボールとファウルチップの判断

ファウルチップの定義においては、「打者の打ったボールが、鋭くバットから直接捕手の手に飛んで、正規に捕球されたもの」とされていますが、「鋭く」というのは、誰が何を基準に判断するものなのでしょうか。

 

1896年のルールの定義では、打者の頭より上に上がらないで、ホームプレートの10フィート(約3メートル)以内でキャッチャーに捕られたファウルボールをファウルチップとしていました。

しかし、その後のルール改正により、打者の頭より上などの明確な定義はなくなり、「鋭くバットから直接捕手の手に飛んで、正規に捕球されたもの」と定義され、「鋭く」の判断については、審判にて決定されることとなりました。

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ファウルチップのルール上の運用

ファウルチップはストライクであり、打者アウトにはならない

※2ストライク後のファウルチップは、第3ストライクにあたり、打者アウトとなる。

この動画はファウルチップのルールが作り出したファインプレイと言えるものです。

チップした鋭い打球が梅野捕手のミットに最初に当たり、ファンブルをしながらも地面に着く前にキャッチをしています。

また、梅野捕手はもちろん、打者の坂本選手と秋山投手もファウルチップのルールをしっかりと理解していたということが表情などから見て取れますね。

 

ファウルチップはインプレイ

※走者は、ファウルチップの際、タッグアップ(タッチアップ)する必要はなく、また、盗塁を行うことも出来ます。しかし、チップしたボールを捕手が捕らえることが出来なかった場合は、ファウルボールとなるため、走者は元の塁へ戻らなければならない。

ファウルチップのまとめ

ファウルチップまとめ
  • 打者の打ったボールが、鋭くバットから直接捕手の手に飛んで、正規に捕球されたもの
  • ファウルチップはストライクカウントされる
  • ファウルチップはインプレイ

このような動画をテレビなどでよく目にすることと思います。

捕手の急所にチップしたボールが直撃し悶絶するというものですが、これまでに解説してきたファウルチップの定義から考えると、そのほとんどは、ファウルチップではなくファウルボールになります。

動画の中には、バットにチップした後に捕手のミットに最初に当たった後、ダイレクトで急所に当たっているものもありますが、これが正式なファウルチップの過程で起こったものであり、その他のものは、ミットや手に当たらずにダイレクトで急所に当たったり、地面にボールが落ちて跳ね返って来てからのものとなるため、厳密にはファウルチップではなくファウルボールと捉えることが出来ます。

 

ただ、ファウルチップにしてもファウルボールにしてもこの痛さは当たった者にしか分からない痛さです。特に捕手の皆さんは、ファウルカップを装備するなどして、ファウルチップには十分にお気を付けください。

 



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