野球用語

【野球】打順の意味、役割とは?特徴や適性などを解説!

現在監督を行っている方や過去にその経験がある方は、チームの打順で悩んだことはないでしょうか。

1番から9番まである打順。

それぞれの順番が持つ意味や役割など、基本的な考えを1つずつ解説していきます。

 

是非、選手は自身に与えられている役割を知っていただき、監督の考える野球を体現してください。

打順の持つ意味と役割

打順とは字の通り打席に立つ順番です。

打席に立つ回数は1番打者が一番多く9番打者が一番少なくなります。

 

単純に考えると打率の高い選手から並べれば良いようにも思えますが、それでは塁に出ても返せない、塁には出るけどすでに2アウトなど、打順に繋がりがなく得点に結びつけることが出来ません。

そのため、それぞれの打順の決め方次第で試合の結果を左右するといっても過言ではありません。

 

それでは、1番から順番に解説していきます。

1番打者の意味、役割

  • 高い打率と出塁率
  • 盗塁や次の塁へ早く進塁が出来る走力
  • リードオフマン、切り込み隊長、核弾頭

1番打者はとにかく出塁しチャンスメイクできること。

また、長打力もあり試合開始から一気に流れを持って来ることも出来る選手。

代表的な1番打者

イチロー、松井稼頭央、真弓明信

2番打者の意味、役割

  • 高い出塁率
  • バントやゴロを打つなど小技が出来る
  • つなぎ役

バントなどの小技が出来るだけでなく、1番打者が凡退した時でもチャンスメイクすることが出来る選手。

代表的な2番打者

川相昌弘、井端弘和、宮本慎也

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3番打者の意味、役割

  • 高い打率と長打力
  • 勝負強さ
  • チャンスを広げる走力

打率だけでなく長打力もあり、チャンスでランナーを帰すことが出来る勝負強さを持っている選手。得点圏での打率が高い選手。

代表的な3番打者

柳田悠岐、秋山幸二、ランディ・バース

4番打者の意味、役割

  • 長打力
  • チーム内最強打者
  • 打撃の花形

「4番サード長嶋」「4番サード原」と40代以上の方は聞いたことのあるフレーズだと思います。いわば4番打者はチームの花形

塁に溜まった選手を一掃できる選手。

代表的な4番打者

落合博満、原辰徳、長嶋茂雄

5番打者の意味、役割

  • 高い打率と長打力
  • 勝負強さ

 

今でも語り継がれる3者連続バックスクリーンへのホームラン。

4番打者が返しきれなかったランナーを帰す役割。

4番打者が敬遠などで勝負を避けられた場合にも同様の力を有している選手。

代表的な5番打者

岡田彰布、オレステス・デストラーデ、末次民夫

6番打者の意味、役割

  • 勝負強さ
  • 長打力

クリーンナップで残ったランナーを帰す役割。

プロ野球において6番打者を固定出来ているチームほど順位が上位であるケースが多い。

代表的な6番打者

石毛宏典、杉浦亨、吉村禎章

7番打者の意味、役割

  • 小技がありながら長打力もある
  • 若手選手の起用
  • 意外性

福岡ソフトバンクホークスの工藤監督は7番打者について、「打線の中では2つ目のクリーンナップであり、1番・2番打者の役割も兼務している打順。7番に良い選手を置けるチームは強い」と述べています。

代表的な7番打者

中村晃、駒田徳広

8番打者の意味、役割

  • 打撃での優先順位は低い
  • チーム内では打力の低い選手
  • プロ野球では守備に負担のかかる捕手

打順の中では高い打力を求めることがない打順ではあるものの、この打順に良い打者を置けるチームは自ずと強いチームと言えるでしょう。

少年野球など人数が少ないチーム事情の場合、実力のない選手を守備ではライトに置き打順は8番にする「ライパチ」という言葉もあります。

代表的な8番打者

伊藤勤、山倉和弘

9番打者の意味、役割

  • 上位打線に繋げる
  • チャンスメイクする走力
  • プロ野球では投手(DH制なし)

プロ野球では投球に専念させるために打撃回数の一番少ない9番に投手を置くことが基本となっています。チーム事情によっては8番打者と同様に打力の低い選手を起用しますが、9番打者には1番打者(上位打線)に繋ぐという重要な役割があります。

代表的な9番打者

桑田真澄、前田健太

 

以上が日本における打順に対する基本的な考え方です。

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セイバーメトリクスを用いた考え方

近年、セイバーメトリクスという言葉を聞いたことはないでしょうか。

セイバーメトリクスとは、これまでの常識を数値的根拠から客観的に分析し、選手起用や戦略を導き出す分析方法です。

 

例えば、セイバーメトリクスでは、バントや盗塁で得られる効力を数値的に否定しています。また、それらから導き出された代表的なものに「2番打者最強論」があります。

 

セイバーメトリクスによる打順の考え方の代表は以下の通り。

  • 最強打者は2番に置くべき
  • 基本的には強打者から順に並べる

つまり、打順とは打席に立つ順番であることから、良い打者により多くの打席を迎えさせることが高い得点へ結びつけることが出来る方法だという訳です。

 

その他には、3番と5番打者に対して、「2アウトで打席が回ることが多く最強打者を置いても生きない可能性が高い」としています。

セイバーメトリクスの考え方
  • 【最重要】1番・2番・4番
  • 【次に重要】3番・5番
  • 【重要度低い】6番・7番・8番・9番(打力の高い順番に並べる)

セイバーメトリクスを活用した打順決めをするためには、これまで常識としていた打順に対する考え方を柔軟にし、まずは「2番打者<3番打者」という考え方から「2番打者>3番打者」という考え方に変えることから始めてみてはいかがでしょうか。

打順まとめ!

打順まとめ!
  • チーム事情に合わせた打順構成
  • 選手も打順の意味を知る
  • セイバーメトリクスの考え方

打順を考えるのは監督であるケースがほとんどです(稀に選手自身で決めるチームあり)。

チーム事情や攻撃時のシナリオを考えて打線を組む方法もあれば、セイバーメトリクスのように数値データを元にした方法もあります。

自チームにおいてどの考え方が適しているのかを考え実践する柔軟な発想が必要になっています。



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