バスターとは、バントの構えから投手の投球モーションに合わせてバットを引きヒッティングに切り替える戦法です。
ランナーの盗塁と合わせて行うバスターエンドランという作戦もよく使われます。
また、バスターはランナーがいる際にサインで行うケースと守備側のポジションを見て自主的に行うケースとがあり、ランナーがいないケースでも打撃フォームの1つとして取り入れるケースがあります。
バスターをやる意味とは?その利点、欠点を解説!
ランナー1塁で送りバントが考えられるような場面を想定してください。
打者がバントの構えをすると、守備側は送りバントを阻止するためにバントシフトを敷きます。一塁手と三塁手は前進し、二塁手は1塁ベースのカバー、遊撃手は2塁ベースのカバーにそれぞれ動き出します。
バントシフトが厳しい場面では、送りバントで1塁ランナーを送ることが非常に難しい状況となります。
しかし、バントシフトはその名の通りバントを阻止するためのシフトであり、ヒットゾーンを広くしてしまうという弱点を抱えています。
バスターはその弱点を突いた戦法で、打者はバントの構えからヒッティングに切り替え、広がったヒットゾーンに打球を転がせば、ランナーを進めるだけでなく自身も出塁することができ、一気に攻撃のチャンスを広げることが出来るのです。
そんなバスターにも欠点はあります。
バスターは自身のいつものヒッティング姿勢ではないため力強いスイングが出来ない上、しっかりと練習をしておかないと上半身だけでの手打ちとなってしまい、結果、ボールの勢いに押され飛球になってしまいます。
また、バントの構えからヒッティングに切り替えるタイミングが早い場合や野手の正面に打球を転がしてしまった場合には、併殺打となる確率が高くなってしまいます。
バスターを成功させるためには練習でフォームをしっかりと作り、広くなったヒットゾーンに打球を転がすことがセオリーとなります。
ランナーなしから打者がバスターをする意味
バスターは打撃フォームの1つとして使われるケースがあります。
高校野球では時折目にすることがありますが、プロ野球の世界でも福岡ソフトバンクホークスなどに在籍していた細川選手などがバスター打法を取り入れていました。
この場合のバスターは、先に解説したバスターとは目的が全く違います。
- 投手との間合い(タイミング)を取る
- スイング軌道を一定にする
- コンパクトなスイングを可能にする
高校野球では上記以外にも様々な理由でバスター打法が使われますが、プロ野球の世界では打撃フォームの修正を目的に取り入れるケースが多いようです。
バスターとエンドランを組み合わせたバスターエンドランとは?
バスターは打球を転がすことがセオリーであることはお伝えしました。
また、守備側がバントシフトを敷くことによってヒットゾーンが広がることにも触れました。
これらバスターが持つ意味を元に、より攻撃側にとってチャンスを広げる作戦にバスターエンドランがあります。
バスターエンドランとは、打者によるバスターとランナーによる盗塁(ラン)を組み合わせた戦略です。
通常のバスターの基本はストライクのボールだけを狙うのに対し、バスターエンドランはヒットエンドランと同様にボール球でもバットに当てなければなりません。
動画のような成功例がある反面、バスターエンドランにもリスクはあります。
バスターが空振りとなり盗塁した走者がアウトになるケースや打球がライナーであったり飛球となってしまった場合に併殺打となってしまう確率が高くなることです。
そのため、打球を転がすことはここでも重要になります。
バスターまとめ!
- バントシフトの弱点を突いた戦略
- 打撃フォームの確認作業
- (ランナーがいる場面)打球を転がすことがセオリー
- (バスターエンドラン)ボール球でも必ずバットに当てる
ランナーがいる場面、守備側は打者がバントの構えをすると必然的にバント処理のために動き出すという習性があります。バスターは、野手が持つ習性を巧みに利用した戦術なのです。
- バントの構えからバットを引き、ヒッティングに切り替える戦法
- バントシフトによって広がったヒットゾーンに打球を飛ばすことでチャンス拡大
- バスターには技術が必要なため、練習が大切!
- ランナーがいない場面でもバスター打法として用いられることもある
- バスターエンドランでは、必ずボールに当てることが求められる