試合前には先発投手が投球練習を行い、試合開始後はリリーフ投手や翌日以降の先発投手などが調整のために投球練習を行う場所であるブルペン。
ここではそのブルペンについて解説をしていきます。
ブルペンの語源
ブルペンの英語表記は「bullpen」で、もともとは「牛を囲う場所」という意味で使われる言葉でした。
この意味からすると、野球場のファールグラウンドなどグラウンド内にフェンスで設けられているブルペンは、本来の意味でのブルペンには当てはまらず、グラウンドの外にあり、壁や屋根で囲まれたブルペンこそが、本来のブルペンということになります。
しかしながら、野球においては、「投球練習をする場所=ブルペン」と呼んでいます。
それでは、なぜ「牛を囲う場所」という意味のブルペンを野球用語に使用したのでしょうか。
- 囲いの中にいる牛を登板を待つ投手に見立てた
- ファウルゾーンでの立ち見の観戦を余儀なくされた観客の姿を牛の囲い場に見立てた
- 外野フェンスにBull Durham Tobaccoの広告がかつてよく見られたため
など諸説は様々あり、はっきりとは分かっていません。
ブルペンで行われていること
ブルペンは投手の投球練習に使われる場所です。
投球練習の前には、軽いランニングやストレッチなどの準備運動も行います。
ブルペンに出入りするのは、投手・捕手・一部のコーチなどに限られ、監督や投手以外の選手が試合中に入ることはまずありません。
そのため、特にプロ野球の本拠地球場では、ベンチにいる監督やコーチなどがブルペンでの状況を確認する手段として、インターホンやモニターカメラが設置されています。
なお、公認野球規則では試合中に外部との連絡を取ることは禁止されている為、このインターホンは外線接続できません。
現在、日本のプロ野球本拠地でファウルゾーンにブルペンが設置されているのは、神宮球場と西武ドームの2球場のみで、他の球場はすべてスタンド内に設置されています。
高校野球が行われる甲子園では、通常はスタンド内のブルペンを使用していますが、高校野球の大会の時にだけ、仮設のブルペンをファウルゾーンに設置しています。
この時のブルペンとベンチの連絡手段は、選手が直接ベンチとブルペンを行き来して、投手の調子などを監督に伝達したりしています。
ブルペンエース(投手)とブルペンキャッチャー(捕手)
ブルペンの言葉がつく野球用語に、ブルペンエースとブルペンキャッチャーというものがあります。
ブルペンエース
ブルペンでの投球練習では、「こりゃ手が出ない」「絶好調」と言われるほどのボールを投げるのに、いざ実践のマウンドに上がると落ち着きを失って、球は乱れ、球速は落ち、コントロールを気にして腕が振れなくなったところをメッタ打ちにあうという投手がいます。
このような投手を「ブルペンエース(投手)」と呼んでいます。
ブルペンキャッチャー
一方のブルペンキャッチャーはプレイヤーとしての用語ではなく、裏方としてブルペンで投手の球を受けることを専門としている捕手のことを言います。
プロ野球においては、現役を引退した選手がその役割を担っており、一般の捕手とは違い、送球力や打撃力は一切問われず、投手の投球を受け止めるだけの役割であることから、「壁」とも呼ばれています。
ブルペンまとめ
- ブルペンのもともとの意味は、「牛を囲う場所」
- プロ野球にてブルペンとベンチとの連絡手段には、インターホンやモニターカメラが使用されている。
- ブルペンエースとブルペンキャッチャーと呼ばれる野球用語がある
俗にブルペンエースと呼ばれる投手には、練習方法を見直すことをおすすめします。
試合とブルペンの大きな違いは、試合には打者と審判がいてブルペンには捕手しかいないということ。また、実際に使用するマウンドの傾斜とブルペンの傾斜が違うことが原因となっていることが大きいと考えられます。
ブルペンでの投球練習時に、打者や審判をつけての練習や試合前に実際に使用するグラウンドのマウンドの傾斜を事前に確かめておくなどの準備を行ってみてはいかがでしょうか。