夏は野球の季節です!
高校野球も地方大会から甲子園出場校が決まりますが、そんななかで社会人野球の全国大会「都市対抗野球」も7月に熱い戦いを繰り広げています。
社会人野球はとはその名の通り、高校や大学野球を経験したような実績ある選手によって構成されたチームによって各大会で競い合っています。最近ではプロ野球出身者も活躍する場面が観られます。
特に企業チームは各社がそのシンボルとして強化策を講じており、アマチュア野球で活躍した選手やプロ野球へ進む逸材などが所属しているため非常にレベルの高い技術や戦略を備えています。
都市対抗野球は通常7月に東京ドーム(かつては後楽園球場)で全国から各地の予選を勝ち抜いた30を超えるチームが出場してトーナメント形式で優勝を争います。
出場チームは試合になると会社をあげて多くの社員や関係者を動員して華やかな応援も展開されるため、プロ野球開催にも遜色ないような観客数や雰囲気で大舞台を演出しています。
それだけに出場するチームの監督、選手などはかなりのプレッシャーを感じながら試合経験を積んでおり、後にプロ野球で活躍する選手や高校、大学野球の指導者として実績を残している出身舎も数多くいます。
それでは、全国大会で実績を残しているチームを紹介しましょう。
- 名選手を多く輩出 日本生命
- 全開ホンダの攻撃力 Honda
- 昭和からの名門 パナソニック
- 平成の名将が率いる JR東日本
- 満員の社員が応援 NTT東日本
日本生命
大阪市に拠点を置く日本生命は1929年創部の歴史を誇る名門チームです。
都市対抗野球を含む全国大会では複数の優勝経験があり、上位進出の常連です。
選手もかつてアマチュア野球選手が代表となっていたオリンピック、世界大会では社会人ナンバーワン投手といわれた杉浦正則、福留孝介など突出した選手が所属していました。
プロ入り選手では福留のほかに仁志敏久、大島洋平、井上晴哉、小林誠司など入団後もすぐに第一線で活躍する選手を生み出しています。
強豪も揃う近畿地区にあって、常に全国優勝を狙ったチームづくりをしており徹底マークのなかでどんな野球を展開するかに注目です。
Honda
かつては「本田技研」として知られていました。
三重・鈴鹿、熊本にもチームがありますが最も歴史があるのは埼玉(現在は狭山市拠点)の野球部です。
「全開ホンダ」といわれる応援は観客が大いに沸く名物であり、このメロディーの後押しによって攻撃が続く場面もよく観られます。選手では都市対抗優勝に導いた入来祐作、同じく優勝を経験した長野久義、阪神入団後にすぐレギュラーを掴んだ木浪聖也など実力派を輩出しています。
また都市対抗通算最多本塁打(タイ)記録でミスター社会人の異名を持つ西郷泰之選手も三菱ふそう川崎の活動休止後に移籍して優勝に貢献しました。
パナソニック
大阪・門真市に拠点を置き、「松下電器」野球部として長い歴史を誇るチームです。
全国大会への出場回数はいつも上位に位置するような常連ですが、優勝回数はまだ少ないことが意外です。
加藤秀司、福本豊、山口高志という阪急ブレーブス黄金時代を支えた選手を輩出しており、また五輪代表でもあった潮崎哲也投手を監督として指導したのは甲子園の解説やアマチュア指導者として有名な鍛治舎巧氏です。
鍛治舎氏は野球部出身で引退後も重要な役職に就いていました。
以降監督を務めたチームは同じブルーを基調としたユニフォームに変更するほど愛着があるようです。
JR東日本
東京都を拠点とするチームで、お馴染みのグリーンが目立つユニフォームを着用しています。
古くは国鉄時代の東京鉄道管理局が前身であり、歴史がありますが全国での実績はJR東日本となって強化を始めた平成以降です。
特に都市対抗優勝を果たした堀井哲也監督は三菱自動車岡崎で谷佳知選手を指導して五輪代表選手に送り出しました。
その後チームの活動休止に伴って転籍すると十亀剣、吉田一将投手や田中広輔選手などの活躍で全国では常に優勝候補とされる存在になりました。
NTT東日本
かつては電電東京~NTT東京としても全国的に強豪といわれる存在でした。
チーム再編で東日本として統合されると当初は新チーム体制定着と結果までに時間を要しましたが、その後は有力選手の加入も続いて都市対抗の常連となり、上位進出という結果を残しています。
出身選手は社会人で大きく開花した与田剛投手、その後は清田育宏、井納翔一なども入部時はあまり実績がないなかで才能を見出されたという点で指導者や育成面でも定評があります。
東京ドームでは会社をあげての応援で満員にする動員力と声援は大きな力になっています。
社会人野球の強豪チームまとめ!
今回は現在活動しているチームから全国で上位進出が多く、優勝候補といわれるチームを紹介しました。
これらのチームに入る選手は高校や大学でも十分な実績があったり、光る才能があると判断された逸材です。
そして、予選を含めた各大会ではプロ並みのデータ分析を踏まえた緻密な野球が展開される一方で剛速球やパワー溢れる攻撃が見られることも魅力の1つです。
ぜひ一度社会人野球の雰囲気を体感してみましょう。