社会人野球では都市対抗における地区割りで東京、西関東(神奈川、山梨)、南関東(千葉、埼玉)、北関東となっており、過去の変遷はあるもののそれだけ各地区に強豪チームが存在していることを示しています。
やはり、90年代までと比較するとチーム数は少なくなったものの企業チームは全国レベルの実力を持っているため、予選ではそのうち数チームが出場権を落としてしまうという激戦が繰り広げられます。
関東を本拠にする野球部は全国的な大企業もあるため、その試合では会社の期待とプレッシャーを受けながら負けられない戦いを続けています。
- 勇気を与える戦いを 東芝
- 堅い野球を展開 日本通運
- 悲願の優勝へ 日立製作所
- 色あせない名門チーム JX-ENEOS
- 平成に躍り出た新鋭 セガサミー
東芝
赤いユニフォームが映える東芝野球部は70~2010年の各年代で都市対抗制覇を果たしている屈指の名門チームです。
川崎に拠点を置き、90年代までは神奈川で日石(現JX-ENEOS)、日産、日本鋼管、三菱川崎などの猛者が集っており、予選を勝ち抜くのもかなりの激戦区でした。
1999年からは東京の東芝府中(落合博満らがOB)も吸収してさらに強化されることとなりました。
プロ野球へも毎年のように選手を輩出しており、メジャーも経験した高橋尚成投手は都市対抗で優勝に貢献しました。以降、会社の状況は厳しいですが野球部は活動を続けており奮起が期待されます。
日本通運
さいたま市を拠点にする日本通運は侍ジャパンのスポンサーにもなっており、野球へは特に注力している企業です。
プロ野球では西武で監督も務める辻発彦氏やメジャー経験もある大塚晶則投手など実力派の選手を多く輩出しています。
タテジマのユニフォームがトレードマークで、2010年頃からはニューヨーク・ヤンキースを意識したモデルになりました。
チームの特長は投手を中心にした守備力に定評があり、最少失点に抑えながら接戦で勝利する野球を展開するため全国でも常に上位進出を果たしています。
日立製作所
茨城県日立市を拠点にするため都市対抗野球では北関東地区でSUBARUや日本製鉄鹿島(旧・住金鹿島)などと凌ぎを削っています。
2010年代からはオレンジのユニフォームを採用し、東京ドームでは大応援団を動員する迫力ある雰囲気を演出しています。
創部100年目を迎えた2016年の都市対抗野球では決勝まで進みましたが、惜しくも準優勝に終わりました。以降も毎年好投手を擁して安定した戦績を残しているため、悲願の初優勝は時間の問題といえるでしょう。
JX-ENEOS
横浜市を拠点にする日本石油野球部からの歴史を持つ伝統チームです。
都市対抗野球での優勝は10回を超えており、勝利数も上位に位置しています。
かつては藤田元司、平松政次がともに都市対抗優勝へ導く活躍を見せています。
プロ野球には多数の選手を送り出していますが、在籍時からストッパーとして都市対抗優勝に貢献した田澤純一投手は直接メジャー入りするまでの評価を受けました。
この頃はプロも経験したOBの大久保秀昭監督の手腕が光ってなんと3度の都市対抗制覇を成し遂げました。
セガサミー
アミューズメント事業を展開するセガ、サミーの持ち株会社が2005年に創部した新しいチームです。
90年代以降に多くの企業チームが解散するなかで、当時企業チームの参入は極めて珍しく会社をあげてのバックアップ体制も充実したものでした。
初代監督は青島健太氏、その後も佐々木誠、初芝清とプロ野球のスター選手を指導者として迎えており、応援では同社に関連したアニメ、特撮系の応援曲を多用するなどファンの拡大に努めています。
参戦2年目で都市対抗野球出場を決めて以降もコンスタントに実績を残しており、一般ファンも増えてきた注目チームの躍進に期待です。
東京、関東の社会人チームまとめ!
関東地区には2019年の都市対抗を制覇したJFE東日本、Honda、NTT東日本、JR東日本、SUBARUなど全国的な強豪チームが多く存在しています。
毎年その勢力図は変わるほどの激戦地域であり、都市対抗野球では地元ならではの大応援団のなかで戦う独特の風土を持ったチームの戦いぶりは見逃せません。
また、これらのチームからは続けてプロ野球もマークする選手が現れるため未来のスターを探すという意味でも日程をチェックして、ぜひ一度観戦してみてください。