メジャーリーグ

【MLB】故障者リストの制度についてイチから解説!

メジャーリーグを観戦していると、よく「故障者リスト」という言葉を耳にします。

例えば、2018年にトミー・ジョン手術を受けた大谷翔平は、2019年の3月28日から5月7日まで、故障者リストに入っていました。

故障者リストとは、文字通り故障者が入るリストですが、故障者リストの制度は少し複雑なものとなっています。

今回の記事では、そんな故障者リストの制度について解説します。

メジャーリーグのロースター

メジャーリーグにおける故障者リストの制度には、ロースター(roster)という制度が大きく関わっています。

そこで、まずロースターについて解説します。

ロースターとは、チームの公式戦に出場する権利を持っている選手の枠です。

つまり、チームの公式戦に出場することができるのは、ロースターに入っている選手のみということになります。

 

このロースターには、26人枠(26-man roster)40人枠(40-man roster)の2種類があります。

26人枠とは、メジャーリーグの公式戦に出場することができる選手の枠です。

つまり、メジャーリーグのレギュラーシーズンおよびプレーオフでは、各試合に出場することができるのは、原則最大で26人ということになります。

ただし、9月1日からレギュラーシーズン終了までの期間では、26人枠が28人枠に広がり、各試合に28人まで出場できるようになります。

 

一方で、40人枠とは、メジャーリーグのチームの直接支配下に置かれている選手の枠です。

26人枠に入っている選手は全員40人枠に入っており、26人枠に入っていない40人枠の選手は、マイナーリーグの試合に出場します。

26人枠の選手が40人枠に入ったまま26人枠から外されることを、マイナー降格(option)と呼びます。

また、40人枠の選手が40人枠から外されることを、戦力外通告(Designated For Assignment:DFA)と呼びます。

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故障者リストとは?

故障者リスト(Injured list:IL)が使われるのは、ロースターに入っている選手が故障により離脱しなければならないときです。

故障した選手をロースターに残したままにした場合、試合に出場できる選手が減ってしまいます。

一方で、40人枠から外してしまうと、外された選手は戦力外通告を受けたことになるため、他のチームに移籍することが可能になってしまいます。

そこで、故障者リストという選手の枠が設置されています。

故障者リストには10日間IL(10-day IL)と60日間IL(60-day IL)の2種類があり、それぞれ以下のような特徴があります。

特徴
10日間IL 登録された選手は26人枠にいる選手としてカウントされなくなる。

つまり、26人枠に1人選手を追加できるようになる。

60日間IL 登録された選手は26人枠および40人枠にいる選手としてカウントされなくなる。

つまり、26人枠と40人枠に1人選手を追加できるようになる。

以上のように、故障した選手を故障リストに入れることにより、選手を支配下においたまま、別の選手を26人枠や40人枠に追加することが可能になります。

なお、故障者リストには他にも細かいルールがいくつかあります。

まず、故障者リストに登録された選手は、10日間ILの場合10日間、60日間ILの場合60日間、登録されてから経過しなければ復帰することができません。

そのため、復帰まで1ヶ月程度かかると想定される場合は、10日間ILに登録することが一般的です。

 

また、故障者リストは、選手が最後に出場した試合の翌日に遡って登録することができます。

例えば、ある選手が5月1日の試合に出場して故障し、精密検査を経て5月4日に10日間ILに登録されることが決まった場合、登録日を5月2日にすることができます。

これにより、復帰が可能となる日付を早めることができます。

故障者リストにいる選手について調べる方法

レギュラーシーズンの中盤になると、故障者が増え、誰がどのような故障で離脱しており、復帰がいつになるのか、把握することが難しくなります。

そこで、故障者リストに登録されている選手について調べる方法について解説します。

まず、MLB.comにアクセスし、「Player」のタブの「Injury Updates」をクリックします。

すると、以下のような画面が表示されます。

この画面では、全チームの故障者が表示されています。

ここで、上部のチームのロゴをクリックすると、表示が各チームの故障者に切り替わります。

故障者リスト以外のリスト

メジャーリーグには、26人枠や40人枠にカウントされなくなるようなリストが、故障者リスト以外にもあります。

①忌引きリスト(Bereavement List)

26人枠の選手の肉親や配偶者に不幸があった場合、3~7試合の間で、26人枠にカウントされなくなります。

 

②育休リスト(Paternity List)

26人枠の選手が家族の出産に立ち会う場合、24~72時間、26人枠にカウントされなくなります。

2011年のシーズンから導入された比較的新しい制度となっています。

 

③制限リスト(Restricted List)

薬物規定違反や事件関与による出場停止期間や、休職や行方不明などの私的な事情の場合に登録されます。

このリストに登録されることにより、26人枠や40人枠にカウントされなくなるだけでなく、ロースターからも外されますが、チームの支配下に置かれたままになります。

 

④短期故障者リスト(Concussion List)

故障のなかでも、脳震盪に特化した故障者リストです。

リストに登録されている期間が最大で7日間であることから、7日間IL(7-day IL)と呼ばれることが多くあります。

なお、7日間以内に復帰できない場合は、自動的に10日間ILに移行されます。

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まとめ!

故障者リストまとめ!
  • メジャーリーグにはロースターという制度があり、26人枠と40人枠がある。
  • 故障した選手をロースターから外さないまま、26人枠や40人枠に選手を追加するために、故障した選手を故障者リストに登録する。
  • 故障者リストに登録されている選手は、MLB.comの「Injury Reports」より確認することができる。
  • メジャーリーグには、故障者リストの他に、忌引きリスト、育休リスト、制限リスト、短期故障者リストがある。

 



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