北海道・東北エリアの社会人野球は2000年代以降は企業チームの減少に見舞われてきました。
北海道はかつて、たくぎん、大昭和製紙北海道、王子製紙苫小牧、NTT北海道など群雄割拠な時代がありましたが廃部や統合などでチームがなくなり、東北も90年代までと全国出場チームの顔ぶれはガラッと変わりました。
やはり各地の景気の影響が反映されているのですが、そんななかでも奮闘するチームにはぜひ大会を沸かせて欲しいものです。
- クラブ化でも奮闘 JR北海道クラブ
- 合併後に躍進 きらやか銀行
- 充実した戦力 JR東日本東北
- 復興の旗印 日本製紙石巻
- 全国制覇した秋田の星 TDK
JR北海道硬式野球クラブ
北海道の社会人野球は不況の波もあって、充分なバックアップの受ける純粋な企業チームはほぼありません。
そんななかで2000年代はこのJR北海道が1強といった位置づけで全国に登場していました。
しかし、様々な会社の事情によってその後は活動時間も限られるクラブチームとなりました。
選手の多くは札幌近郊の駅員などとして勤務しながら練習との両立をはかっています。
北海道社会人野球の灯を消さないためにも厳しい環境ですが奮起を期待したいです。
きらやか銀行
山形市のチームで、現在は少なくなった銀行の野球部です。
歴史は山形相互銀行時代から活動していますが全国舞台からは遠い存在でした。
合併によって規模が大きくなると野球部も強化を進めたこともあって2016年に都市対抗野球初出場を果たし、以降も出場権を獲得しています。
選手は各支店などで銀行員として勤務する傍らで活動しており、まさに地元密着の野球部となっています。
銀行という業種から、取引先や関係企業、組織からも応援される期待の星となっています。次の目標は全国での上位進出になるでしょう。
JR東日本東北
かつては国鉄時代の仙台鉄道管理局などで活動しており、民営化後に東北数チームを統合して誕生しました。
その後はアマチュア時代に大きな実績を持つ選手は少ないながらも、名手・小坂誠選手や投手でも攝津正など遅咲きで職人気質のタイプがプロでも花開いています。
これは育成力の高さを物語っているともいえます。
東北エリアの企業チーム数が少ないなかでは、安定したバックアップのある環境でありそろそろ上位に名乗りをあげる結果を見たいものです。
日本製紙石巻
創部してから暫くは地元の高卒選手中心であり、仙台周辺の企業チームとは実力の差があって全国経験は皆無の存在でした。
その後、東北以外の出身者や東京六大学を含む大卒で実績のある選手も入部するなど積極的な強化策で躍進しています。
また指導者はかつて強豪・大昭和製紙の出身者が会社の統合もあって就任したことで東北では上位のチームとして安定した成績を残しています。
震災では大きな被害を受けたものの、チームの活躍が地元を勇気づける復興の旗印となりました。
TDK
秋田県にかほ市を拠点に活動するチームで、県内では全国を狙える数少ない企業の野球部です。
東北地区の社会人野球は、かつてより仙台周辺のチームが強い傾向がありましたが秋田の代表として果敢に挑戦を続けてきました。
その結果が出たのは2006年の都市対抗であり、初めて勝利をあげるとそのままの勢いで優勝を遂げました。当時は地元でも急遽決勝戦の放送があるなど期待と注目を集めました。
以降は全国での戦績はやや寂しい状況ですが、高校野球でも盛り上がりを見せた秋田の意地を発揮してほしいものです。
北海道・東北地方の社会人チームまとめ!
高校野球、大学野球ではすっかり全国でも強豪エリアとして認識されるようになった東北ですが、社会人野球では企業チームの減少もあって少し印象が薄いようです。
各チームともに関東や近畿など他地域の選手も受け入れて強化をはかっています。
都市対抗野球では地域色のある応援風景も特徴的な東北のチームですが、試合の面でも粘り強さや技術を駆使して関東や関西の名門を撃破することを期待したいです。